研究課題/領域番号 |
06044077
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
柊元 宏 東京工業大学, 工学部, 教授 (50013488)
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研究分担者 |
LIM Kee Youn 全北大学, 助教授
CHANG Kee Jo 韓国科学技術院, 助教授
MIN Suk Ki 韓国科学技術研究所, 研究員
LEE Hyung Ja 全北大学, 教授
CHOI Byung D ソウル大学, 教授
竹田 美和 名古屋大学, 工学部, 教授 (20111932)
八百 隆文 広島大学, 工学部, 教授 (60230182)
吉川 明彦 千葉大学, 工学部, 教授 (20016603)
白木 靖寛 東京大学, 先端研センター, 教授 (00206286)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 半導体 / 量子構造 / デバイス / プロセス / 評価技術 |
研究概要 |
本研究は、各種半導体材料および微細構造における、量子効果をはじめとする基礎物性とそのデバイス応用に関して、わが国のこの分野の研究者と韓国研究者とが協力して、半導体の材料ならびにデバイスの先端的な研究を推進することを目的として行われた。昨年度行われた同課題研究の成果に基づいて、主な研究対象としてIV族半導体(SiGe系など)、III-V族化合物半導体(GaPAs系など)、II-VI族化合物半導体(ZnCdSe系など)およびこれらを用いた量子構造を採り上げた。研究を推進するに当たっては、各研究者が試料作製、物性評価およびデバイス作製において役割を分担し、親密に情報を交換した。本研究で得られた主な成果および実施された研究活動は以下の通りである。 1.研究成果 (1)多孔質Siの形成過程について、電解液中のHF濃度による振舞いに違いに注目して検討した。穴の形状に関しては、HF濃度の増加に従って、深さは増大したが、径は減少した。さらに、多孔質Siの形成中のSi表面には酸化層が存在していることも明らかになった。このような酸化層の形成が電解液中のOHイオンにより促進されること、並びにOHイオン濃度がHF濃度の増加に従って減少することから、穴の径がその形成初期におけるSi表面の酸化領域の大きさによって決定されることを指摘した。 (2)高真空中でのECRプラズマCVDによりSi基板上へのSiおよびSiGeのエピタキシャル成長を行った。基板表面の清浄化および薄膜成長の条件に対する膜質の変化を詳細に調べ、H_2プラズマによる基板表面のクリーニングおよび薄膜成長時に、基板に印加する直流バイアスを精密に制御することが特に重要であることを明かにした。この結果に基づいて作製プロセスを最適化することによって、560℃という低い基板温度においても転位のない高品質な薄膜を得ることが可能になった。 (3)GaAsP/GaP歪み量子井戸構造を作製し、光学的な評価を行った。光による反射の変調測定で得られた結果から、この超格子がX点を伝導体の最下点とする-Iのバンド構造を有すること、およびこのヘテロ接合の伝導体におけるバンド不連量の比率が0.6であることを明らかにした。さらに、低温におけるフォトルミネッセンスの振舞いは、このようなバンド構造から予想される特性とよく一致することを示した。 超強磁場における磁気光分光により、ZnSeなどのII-VI族化合物半導体の評価を行った。共鳴光のエネルギーを変化させることにより、LOフォノンエネルギーの近傍において共鳴ポーラロン効果が観測された。この結果を用いて、キャリアの有効質量を正確に決定することができた。 2.研究活動 (1)平成6年6月、Cheju(韓国)において「半導体材料・デバイスの先端科学技術」に関する日韓シンポジウムを開催した。このシンポジウムには、日本側研究者(本研究の代表、分担および協力者)8名を含めて、約60名が参加し、昨年度から引き続き行われている研究を中心に、その成果について発表ならびに討論を行った。 (2)平成7年2月に、日本側研究者3名が韓国を訪問し、これまでの研究成果についてその成果と課題について討論した。 (3)平成7年3月に、韓国側研究者3名を日本へ招へいし、本研究の総括を行った。さらに、将来的な日韓の共同研究の方針について意見交換を行った。 これらによって、半導体材料・デバイスに関して、本研究の目的であった日韓研究者の協力による研究推進と相互の学術交流が十分に図られたと考える。
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