研究課題/領域番号 |
06044082
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
星野 悦郎 新潟大学, 歯学部, 教授 (90124619)
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研究分担者 |
GREENMAN Joh Faculty of Applied Sciences, Univ. of the, Senior Lec
WEIGHTMAN An School of Pure & Applied Biology, Univ. of, Lecturer
ELWORTHY Ali Faculty of Applied Sciences, Univ. of the, Research A
HIOM Sarah J Dental School, Univ. of Bristol, Research A
WADE William Dental School, Univ. of Bristol, Reder
中澤 太 新潟大学, 歯学部, 講師 (60115053)
佐藤 拓一 日本学術振興会, 特別研究員
HIOM Salah ブリストル大学, 歯学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1994年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | Eubacterium / 糖非分解性 / 口腔 / 偏性嫌気性菌 / 分類学 / 新菌種 |
研究概要 |
新しいタイプの糖非分解性の口腔Eubacteriumの内、日本側が、Eubacterium S-groupとEubacterium M-groupの性状について、平成6年度:新潟歯学会(新潟)および歯科基礎医学会(大阪)、平成7年度:口腔嫌気性菌研究会(横浜)、IADR(シンガポール)において、またEubacterium timidum-likeについて、平成7年度:IADR(サンフランシスコ)において学会報告した。また英国側は、平成6年度にEubacterium Cluster2の性状について、Journal of Medical Microbiology誌上で報告した。 1.日本で壊死歯髄から分離されたEubacterium S-groupと、英国で歯槽膿瘍から分離されたEubacterium Cluster2について平成6年度に、共同で各種性状検査(API ZYMを含む生化学的性状検査、GLCにより終末代謝産物の同定など)を行ない比較検討したところ、極めて類似していることが分かった。そこで平成7年度に、日本側で、Eubacterium S-group(D-6株、K株を含む)とEubacterium Cluster2、さらに他の糖非分解性の口腔Eubacterium(E.brachy、E.nodatum、E.timidum、E.saphenum.E.lentumなど)との、DNA-DNA hybridization実験を行ない、それらとの類似度を測定した。さらにGC%の測定も併せて行なった。その結果、GC%は、60〜64%であった。また、Eubacterium S-group(D-6株、K株を含む)とEubacterium Cluster2 相互のホモロジーは約100%であるのに対して、他の糖非分解性Eubacterium属細菌種には、10%以下の著しく低い値を示した。以上の結果から、新菌種Eubacterium exegiuum(GC%:60〜64%)をIJSBに提唱・投稿した。同時に、平成7年度に、英国側で、Eubacterium Cluster2の16S rRNA sequencing実験を行ない、その結果を米国イリノイ大学のRibosomal Databaseに登録・公開した。 2.日本側では、Eubacterium M-groupについても、解析を進めた。すなわち、形態学的性状、一般生化学性状、APIZYMによる酵素活性、SDS-PAGEによる構成蛋白質Western-blottingによる血清学的性状のいずれにおいても、Eubacterium M-groupは、既存の糖非分解性口腔Eubacterium属細菌種とは異なっていたため、GC%の測定およびDNA-DNA hybridization実験を行なった。その結果、E.M-groupのG+C contentは38-40%であった。また、DNA-DNA hybridizationの結果、M-group相互のホモロジーは約100%であったのに対して、他の糖非分解性Eubacterium属細菌種には、10%以下の著しく低い値を示した。以上の結果から、Eubacterium M-groupの菌株は、従来の細菌種とは全く異なる新しい菌種であることが明確となったため、Eubacterium minutumと命名し、I.J.S.Bに報告した。 3.一方、英国側は、糖非分解性の口腔EubacteriumであるE.brachy、E.nodatum、E.timidumのType speciesと未同定株であるCluster 1、Cluster 2(=Eubacterium exegiuum)、New 1の16S rRNA sequencingに成功し、Ribosomal Databaseに登録・公開した。同時に、Pyrolysis mass spectrometryによる口腔Eubacteriumの同定方法を確立し、論文投稿中である。 4.今後は、現在未同定となって他の菌株についても、その遺伝学的性状を解析することによって、細菌分類学的位置を明らかにするために本共同研究を継続したいと考えている。 5.さらに、PCRを用いた、より迅速な口腔Eubacteriumの株間の性状の比較検討のために、16S rDNA PCR-RFLP分析方法の確立についても、行なう予定である。
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