研究課題/領域番号 |
06044116
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神田 啓治 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (10027419)
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研究分担者 |
ZAETTA Alain フランス原子力庁, 原子炉サイクル物理研究部, 室長
CARRE Frankー フランス原子力庁, 原子炉サイクル物理研究部, 部長
BERGEONNEAU フィリップ フランス原子力庁, 原子炉管理局, 局長補佐
代谷 誠治 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (80027474)
竹田 敏一 大阪大学, 工学部, 教授 (30116058)
CARRE Frank-Olivier DIRECTION DES REACTEURS NUCLEAIRES,COMMISSARIAT a l' ENERGIE ATOMIQUE
BERGEONNEAU ノィリップ フランス原子力庁, 原子炉管理局, 局長補佐
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
1996年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1995年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 次世代型原子炉 / 炉物理 / ボイド反応度係数 / 共鳴自己遮蔽 / 温度反応度係数 / 超ウラン元素 / ベンチマーク計算 / 燃焼計算 / ピン出力分布 |
研究概要 |
日仏両国の原子力政策には高速増殖炉の開発やプルトニウムの利用等を含めて共通点が多く、今や両国が次世代型原子炉の開発研究については世界をリ-ドする立場にある。従って、次世代炉の炉物理について両国が協力して研究を進めることは極めて意義深い。これまで、次世代型軽水炉の有力な候補の一つである高転換軽水炉の研究開発に関連して、フランス原子力庁(CEA)では臨界集合体を用いた実験的研究を軸に炉物理研究を精力的に行ってきた。一方、日本の大学においても、京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)を用いて「大学連合」による実験的研究が1986年より開始され、現在も実験解析を通じて核計算手法の開発を中心とした炉物理研究が続けられている。さらに、CEAでは「大学連合」で行うことができないプルトニウム燃料装荷炉心に関する実験的研究を行っている。これらの成果を基盤として、本研究では、フランス原子力庁と日本の「大学連合」が次世代型原子炉の研究開発について、炉物理の面で研究遂行上の課題となっている問題点を解決するために共同研究を行うことを目的とした。 研究の進め方としては、1993年に締結された日仏研究協力協定に基づき、毎年、日本とフランス交互に日仏セミナーを開催して、共同研究課題に関する双方の結果を持ち寄って討議するとともに、日仏セミナーにおける議論に基づいて次年度の共同研究課題を策定して共同研究を行う方式とした。また、日仏セミナーでは上記の研究課題の他に双方で独自に進められている炉物理研究の内容についても情報交換し、必要に応じて共同研究課題に随時加えることとした。なお、日仏セミナーでは研究に直接携わっている研究者をできる限り集め、実際的で中身の濃い議論が行えるよう配慮した。ちなみに、本研究の期間中に第3回から第5回までの計3回の日仏セミナーが開かれ、昨年、日仏研究協力協定を1999年まで延長する新協定が締結された。 本研究では、次世代型原子炉の炉物理に関する共同研究課題として、(1)無限格子のボイド反応度係数、(2)共鳴自己遮蔽効果、(3)燃料集合体のピン出力分布、(4)軽水炉の減速材温度反応度係数、(5)超ウラン(TRU)元素の核特性、(6)格子計算における中性子漏洩効果を設定して共同研究を行った。上記(5)は第3回日仏セミナーで、(6)は第4回日仏セミナーで追加された課題であり、(3)は第4回日仏セミナーで除外された。上記(1)と(4)については、これまでの成果を論文にまとめるべく、研究協力者を6ヶ月間フランス原子力庁(CEA)のカダラッシュ研究所に派遣し、共同で計算を行うなど詳細な詰めの作業を行い、その結果を昨年9月に水戸で開催された炉物理国際会議PHYSOR96で発表した。これに関しては、第5回日仏セミナーで、日仏の計算結果間の差は主として^<239>Pu,^<241>Pu,^<16>O,^<91>Zrの反応率の差に起因していることが判明した。この課題については日仏共同論文を然るべき学術誌に投稿して終了し、新たに混合酸化物燃料セルの感度解析に関する研究課題を設定することで合意した。(2)については、双方でサブグループ法に基づく計算法の開発研究が行われており、これまではそれらの内容を互いに紹介することを中心に活動を行ってきた。今後、仏側がベンチマーク計算問題を作成し、日仏双方が計算を行って相互比較を行うことで合意した。(5)については、本研究用に作成したプルトニウムリサイクルに関するベンチマーク計算問題が国際的なベンチマーク問題として採用された。これまでに第5サイクルにおけるプルトニウム含有量の日仏間の差(約3%)は、双方が使用した断面積ライブラリーの差に起因していることが判明した。燃焼計算への一般化摂動理論に基づく感度解析の適用、KUCAにおけるマイナ-アクチニド断面積評価のための積分実験等も着実に進行しつつある。今後、仏側がCEAにおける実験結果を基としたマイナ-アクチニドの燃焼に関するベンチマーク問題を作成し、双方が日本のPWR燃料の照射後試験結果の解析を行うことで合意した。(6)については、国際的なボイド係数ベンチマーク計算問題を基に仏側がベンチマーク問題を作成することになった。
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