研究課題/領域番号 |
06044119
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々 恭二 京都大学, 防災研究所, 教授 (30086061)
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研究分担者 |
福岡 浩 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40252522)
日浦 啓全 高知大学, 農学部, 教授 (30046495)
HUNGR Oldric カナダ, ブリティッシュコロンビア大学, 教授
EVANS Stephe カナダ国地質調査所, 科学官
HUNGR Oldvic カナダ国, サーバーコンサルタント社, 研究員
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
1996年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1995年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1994年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 大規模高速地すべり / 発生予測 / 運動予測 / ハザードマップ |
研究概要 |
平成6年度 1)7月〜8月にかけて、カナダ、英国、ニュージーランド、スリランカ、中国の共同研究者、研究協力者が京都大学に集まり、2週間の共同研究と長崎県雲仙眉山地すべりと七面山斜面の合同現地調査を行った。 2)10月、11月には大規模地すべりの発生が懸念されている中国西安市・華清池地すべりの現地調査および観測計器の設置を行った。 3)長崎県雲仙眉山、七面山から採取したサンプルについてその発生・運動予測のための土質試験を実施し、その値を用いて運動予測のためのコンピュータシミュレーションを実施した。 4)世界各国からの大規模高速地すべり発生・運動予測のエキスパート5人と佐々・福岡・日浦らの約2週間の集中討論により、実用的な地すべり発生・運動予測法をまとめるための今後必要な研究内容と方針を立てることが出来た。 平成7年度 1)佐々、福岡は4月にカナダ側研究者のエバンスと共にカナダ・Frank地すべりを調査し、地すべり土塊が運動した地域で採取した土等のサンプルを日本に運搬した。帰国後、運動予測のための非排水リングせん断試験を実施した結果、見かけの摩擦角は3.8゚となり、この値からそりモデルを用いて高速・長距離運動機構が説明できた。阪神大震災の仁川、宝塚の高速地すべりについても合同で調査した。また、エバンスはその後現場でボーリングを実施し、非排水せん断の起こったと考えられる層を確認した。 2)阪神大震災で発生した仁川地すべりの繰り返し載荷リングせん断試験を実施した結果、地震力により土が破壊すると土粒子構造の破壊、粒子破砕により、せん断面付近のみで液状化が起こり(「すべり面液状化」)急激にせん断強度が低下することにより高速地すべりが発生することがわかった。 3)東京において長崎県・雲仙眉山地すべりの高速運動について討議を行い、資料収集を行った。 4)9月にカナダ、英国、ニュージーランド、米国、イタリアの共同研究者が京都大学に集まり、約2週間の集中討論により、実用的な地すべり発生・運動予測法をまとめるための出版予定等を立てることが出来た。 5)佐々、福岡は10月に大規模地すべりの発生が懸念されている中国西安市・華清池地すべりの現地調査および観測計器の設置を行った。また、観測結果の資料を収集し、現地観測所と共同で解析を行い、西安地質学院で同地すべりの予知予測についての検討会を開き討論を行った。 6)佐々・福岡は徳島県善徳地すべり地と長崎県・北松地すべり地帯において現地踏査と資料収集を行った。 7)日浦は大規模高速地すべりの発生が懸念されている中国西安市・華清池地すべりを現地観測所と共同で調査し、観測結果について合同で検討した。 平成8年度 1)福岡は6月にノルウェー理工大学等を訪問し、ノルウェー西海岸の大規模岩盤地すべりの現地調査を行った。ノルウェーではフィヨルド沿いに岩盤地すべりが発生しており、崩壊した岩盤がフィヨルドに落ち津波を引き起こすために、直下だけでなく広範囲に被害が及んでいるが、これら岩盤地すべりの資料等を収集した。 2)佐々、福岡は平成8年12月の長野県小谷村の土石流災害現場を調査し、上流で発生した地すべり土塊が渓床堆積物の上に落ち非排水載荷したために流動化し土石流が発生したと考え、現場付近の沢で土石流発生地点と同種の土試料を採取し持ち帰った。京都大学においてリングせん断試験機により非排水載荷試験を行ったところ、すべり面液状化が発生しせん断強度が急激に減少して高速せん断が開始することを見出し、小谷村土石流が発生する過程を実験的に証明することが出来た。さらに高速せん断する過程で、「すべり面液状化」から「液状化」に移行しているらしいこともわかった。 3)本科学研究費補助金による研究成果について佐々は米国地質調査所で開かれた国際地質科学ユニオンの会議において、福岡は中国・驪山地すべり防止観測所において発表を行った。
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