研究課題/領域番号 |
06044137
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
蒲生 健次 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (70029445)
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研究分担者 |
JONES G.A.C ケンブリッジ大学, キャベンディッシュ研究所, 副ディレクター
AHMED H ケンブリッジ大学, キャベンディッシュ研究所・マイクロエレクトロンクス研究センター, 所長
若塚 冨士男 (若家 冨士男) 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (60240454)
柳沢 淳一 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (60239803)
弓場 愛彦 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (30144447)
AHMED Haroon Univ. of Cambridge, Cavendish Lab., Microelectronics Res. Center
JONES G.A.C. ケンブリッジ大学, キャベンディシュ研究所, 副ディレクター
高原 淳一 大阪大学, 基礎工学部, 特別研究員
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
1995年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1994年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | ナノ加工 / 電子波デバイス / 集束イオンビーム / 分子線エピタキシ- / 真空一貫プロセス / その場加工プロセス / 埋め込構造 / 成長中断 / 電子波導波方向性結合器 |
研究概要 |
本年度の研究実績をその場加工法に関するもの、その場加工装置に関するもの、電子波デバイスに関するもの、に分けて以下に概要を記す。 1.その場加工法 低エネルギーSi集束イオンビームを用いて、GaAsおよびAuの上にSiを堆積することに成功した。この技術を応用すれば、基板上の任意の位置に微少なSiのパターンを作製することが可能であり、電子波デバイスの作製プロセスとして非常に有望である。また、低エネルギーSi集束イオンビームを用いて、GaAsにイオン注入(デルタド-ピング)を行い、さらにMBEで結晶再成長を行う事により結晶中に埋め込まれた2次元電子ガスを作製することに成功した。C-V法測定を行い、キャリアの深さ方向の分布とアニール条件の関係を明らかにした。 また、真空一貫その場加工装置の中で、試料を搬送するときに問題となる成長中断の影響について実験的、理論的に検討を加えた。実験的には、GaAs中の成長中断界面にできる界面準位による電子の捕獲量がデルタドープしたSiのドープ量に依存している実験結果が得られた。コンピュータを用いた数値計算によってこの現象は成長中断界面にできている界面準位のなかのコンダクションバンドエッジに近い浅い準位に関係していることが明らかとなった。このように真空中でも成長中断界面に発生した界面準位の影響が無視できないことが明らかとなったで、界面準位を低減化するために成長中断界面をAs薄膜で保護する方法を検討した。その結果、成長中断界面をAs膜で保護することにより界面準位が10^<12>cm^<-2>程度低減化することを実験的に確認した。 2.その場加工装置 上に述べたように、界面準位の分布に関する知見を得、また界面準位の低減化に関する指針を得たわけだが、さらに、成長中断界面の準位密度を低減化するため集束イオンビーム装置にイオンポンプを増設し、真空度の向上を計った。 また、低エネルギー集束イオンビームの逆バイアス回路に改良を加えることにより集束特性の改善を試み、リターディングによってイオンエネルギーを低くした状態のときでさえも、試料の透過像を観察することによって、サブミクロン程度のビーム径が得られていることを確認した。 3.電子波デバイス スプリットゲート型の量子ポイントコンタクトに非対象なバイアスをかけたときの伝導特性について、数値計算および実験を行い、非対象バイアスが閉じ込めポテンシャルの位置だけではなくて強さにも影響を与えていることを明らかにした。 電子ビーム露光装置(ケンブリッジ大学)とアルゴンイオンビームエッチング(大阪大学)および反応性イオンエッチング(ケンブリッジ大学)を用いて、直径40nm、周期100nmのアンチドット超格子を作製することに成功した。このデバイスは電子の可干渉長と同程度のサイズであり、電子波干渉の効果と古典的なサイクロトロン運動の両方が観測できる興味深い系であり、今後の解析が期待される。 Cr薄膜を電子ビーム直接描画によって選択酸化するプロセスを開発し、そのようなプロセスを用いて微少トンネル接合を作製することに成功した。微少トンネル接合は、電子波デバイスにエネルギーの分散のすくない電子波を注入するためのエミッタとして、非常に重要である。また、近年注目をあつめているクーロンブロッケイドを利用した電子デバイスの基本的な構成要素して、ますますその重要性が認識されてきている。
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