研究課題/領域番号 |
06044138
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 大阪大学 (1995-1996) 早稲田大学 (1994) |
研究代表者 |
隅田 泰生 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70179282)
吉村 作治 (1994) 早稲田大学, 人間科学部, 助教授 (80201052)
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研究分担者 |
森 啓司 富士フィルム(株), 機器事業本部, 課長
奥 直人 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (10167322)
SOBEL Michae Virginia Commonwealth大学, 医学部, 教授
長谷川 奏 早稲田大学, 古代エジプト調査室, 嘱託
近藤 二郎 早稲田大学, 古代エジプト調査室, 嘱託
西本 真一 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (10198517)
中川 武 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063770)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1995年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1994年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ヘパリン / 血小板 / 結合 / 細胞表層 / 蛋白質 / 架橋 / ドメイン / モデリング / 結合ドメイン / 架橋化剤 / イメージング / エジプト / アブ・シール南 / 北サッカラ / ネクロポリス / 新王国時代 / ラメセス2世 / 移籍の緊急保全 / カエムワセト王子 / 相互作用 / 分子レベル / 解析 |
研究概要 |
(1)ヘパリン中の血小板結合ドメインに関して (1-1) 我々の以前の研究で推定されていたヘパリン-血小板結合に必須なヘパリン中の二糖シークエンス(NS6S-I2Sと略)を含むモデル化合物を合成し、その血小板結合能を確認した。また、やはり以前の研究で見いだされていたNS6S-I2Sに基づくクラスタリング効果について情報を得るために、NS6S-I2Sを2単位含むオリゴマーモデルを2種合成した。さらに、構造特異性をより詳細に検討するため、NS6S-I2S中のイズロン酸をそのエピマ-であるグルクロン酸に変えた二糖モデル化合物も合成した。これらのモデル化合物の血小板結合能の僅かな違いを評価できるように、血小板結合阻害実験を[^3H]-ヘパリンを用いて行うことが可能となるように改良した。現在改良した新しい実験系をもちいて、血小板結合能を評価中である。 (1-2) ヘパリンを酵素消化により低分子化し分画したNS6S-I2Sを含むオリゴマー2種、並びにそれらの構造類縁体を神戸薬科大学菅原教授から供与を受け、それらの血小板結合能を検討した。その結果、血小板結合に関与するヘパリン分子中の最小ドメイン構造は、上記NS6S-I2Sの還元末端側にN-硫酸化グルコサミンが連結した三糖シークエンス(NS6S-I2S-NSと略)であることを発見した。さらに上記2種のオリゴマーの溶液構造を、NMRデータを組込んだコンピューターモデリングにより解析し、NS6S-I2Sの還元末端側のグルコサミン単位中の6位水酸基に結合する硫酸基の有無によりNS6S-I2Sのコンフォメーションと自由度が大きく異なることを明らかとした。この相違が血小板結合に影響するものと思われる。現在これらをより明確にするため、NS6S-I2S-NS及びその類縁シークエンスを含む種々のモデル化合物の合成を行っている。 (2)血小板上のヘパリン結合タンパク質に関して (2-1) 血小板の表層蛋白質を放射標識したのち、既存の方法で血小板膜画分を得、これをヘパリンアフィニティーカラムにかけて高親和性画分である複数のヘパリン結合性蛋白質を分離した。同時に、以前のLigand-blotting法を改良し、^<125>I-標識ヘパリンとニトロセルロース膜上で結合する蛋白質を複数検出した。これらの蛋白質は(2-2)の結果の評価の際の参考データとした。 (2-2) 新たに二官能性架橋化剤(AA-Dと略)を開発した。AA-Dで[^3H]-ヘパリンを標識しAA-D-[^3H]-Hepを得た。その結合・架橋反応選択性をAntithrombin IIIとOvalbuminを用いて調べたときろ、ヘパリン結合性のAntithrombin IIIに高い選択性で光架橋したことが明らかとなり、AA-D-[^3H]-Hepの有用性が確認された。次いで、この新手法により、intactな血小板を用いて光架橋をおこない、血小板細胞表層のヘパリン結合性蛋白質を検出・精製を行った。約100kDaと約115kDaをSDS-PAGE上で示す蛋白質を検出・部分精製した。現在、これら蛋白質のアミノ酸配列を調べている。 (3)イメージング技術に関して 上記2-2において検出の迅速・正確を目指すために、既存の[^3H]-イメージング技術に改良を加えた。また、将来ヘパリンの生体内及び細胞表層における挙動を観察することを目指し、PETの導入を検討した。 (4)フォンビルブラント因子とヘパリンの結合に関して 以前の我々の研究から、外因性血液凝固の最初の段階で重要な役割を担う蛋白質であるフォンビルブラント因子にヘパリンが結合すること、それがフォンビルブラント因子と血小板の結合を阻害することがわかっていた。最終年度に血小板-ヘパリン相互作用の研究で確立した方法を応用してヘパリン中のフォンビルブラント因子結合ドメインの推定を行った。興味あることに血小板とヘパリンとの結合に必須であるNS6S-I2Sが同時にヘパリンとフォンビルブラント因子の結合にも重要な役割を果たすことを見いだした。
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