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インドネシア農村の慣行システムの革新と協同組合の展開に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06044149
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関岡山大学

研究代表者

岩間 泉  岡山大学, 農学部, 教授 (90160134)

研究分担者 IWANTONO Sut  インドネシア協同組合省及び小企業開発省, 小企業開発研究所, 所長
横溝 功  岡山大学, 農学部, 助教授 (00174863)
樋口 昭則  帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (40250534)
宮川 経邦  南九州大学, 園芸学部, 教授 (70174133)
三野 徹  岡山大学, 環境理工学部, 教授 (10026453)
岡本 五郎  岡山大学, 農学部, 教授 (30026611)
千葉 喬三  岡山大学, 農学部, 教授 (10036741)
内田 仙二  岡山大学, 農学部, 教授 (80032986)
中里 亜夫  福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60044343)
SUTRISUNO Iw  インドネシア協同組合省及び小企業開発省, 小企業開発研究所, 所長
星野 敏  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (60192738)
SUTRISNO Iwa  インドネシア協同組合省及び小企業開発省, 小企業開発研究所, 所長
梅津 頼三郎  九州大学, 農学部, 教授 (60168755)
佐藤 豊信  岡山大学, 農学部, 教授 (40144737)
亀山 宏  香川大学, 農学部, 助教授 (70177608)
甲斐 諭  九州大学, 農学部, 助教授 (70038313)
稲本 志良  京都大学, 農学部, 教授 (80026468)
堀田 忠夫  大阪府立大学, 農学部, 教授 (40036439)
研究期間 (年度) 1994 – 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
18,900千円 (直接経費: 18,900千円)
1996年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1995年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1994年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
キーワード原自然 / 自然多層混交林 / 自然の土地 / 人為の土地 / プカランガン / モノカルチャー / 溶脱 / 暖地有畜経営 / 原自然条件 / 地域性 / 地力の天然更新 / 慣行農法 / ハードウッド / 微生物活性の制御 / 微生物活性 / シャドウイング / 地方移動 / 適正配列 / シンパンピンジャン
研究概要

農業は自然の土地に規定される。自然の土地は、放熱のメカニズムにより、地上部、地下にわたり一定の地域性が生じ、この地域性の構造のうえで、無機の自然、有機の自然、生物の自然と示される展開がある。したがって、自然生態系のあり方は地域性を有し、これは、人為によって変えることが出来ない原自然条件である位置、地形、地質条件によって規定されている。原自然条件によって規定される自然の土地の固有のあり方を原自然と概念化する。土地利用を内容とする農業のあり方は、原自然に対応して、固有の地域性を有する。ジャワ島の原自然は、シマ層からの火山列群に起因する、玄武岩母岩の塩基性火山灰堆積土壌層を基盤とする、常夏乾湿のうえの、自然多層混交林となる。
自然多層混交林は、常夏乾湿対に固有の溶脱を、高木を基盤とする混交林の根圏域の発達によって防ぎ、雨期の降水を土壌水として貯留し、微生物の生育活性を周年的に高く維持し、微生物-植物-動物の生物循環を多様にして、かつこの循環を構成する生物相の生産力をトータルとして高く維持させている。
ジャワ島の農業は、この自然多層混交林を主要には水田、プカランガン、畑地に転換し、これを持続的に制御して、土地利用の産物を再生産し、市場に提供して営まれる。
マジャングテンガ村の人為の土地開発の序列は以下のようである。
ジョグジャカルタから、150年の昔に移住した先人は、まず山麓台地の自然混交林をプカランガンに転換して、定住地を確定している。
ついで、低地の自然混交林を水田に転換している。
最後に、山麓台地の背後地である、傾斜地の自然混交林を畑地に転換している。
プカランガンは、10a程度の面積で、内部に住居をつくり、原型としては、この屋敷地の一番外側にココナツ、マホガニィなどの高木、その内側にはパパイヤ、バナナなどの中、低木、そしてもっとも内側にはキャツサバ、香辛料、薬草などを栽培し、若干の家畜、家きん、水きんを内部で飼育している。
これは、自然混交林の構成木本、草本類を、人間にとって有益な果樹、木本、草本類に転換し、生態的に安定し、かつ衛生的な農林地空間を創造している。つまり、多層自然混交林をモデルとして、これを人為的空間に、経験則に基づいて、合理的に転換したといえる。
プカランガンは、ジャワ島の人為の土地の中で、最も重要な社会生活の基盤の土地となっている。このため、均分相続慣行において、親はプカランガン適地を購入し、住居を建てて、子供に贈り、子供は、これをプカランガンに仕立て上げ、農村社会の構成員となっている。
自然多層混交林を人為の土地に転換することで、溶脱を人為的に制御することが、ジャワ島農業の固有の課題となる。伝統的農業はそのことを経験則に基づき、解決したシステムである。
水田は水によって、プカランガンは木本による根圏の発達と、シャドウイングによってによって溶脱を制御している。問題は伝統的畑地利用が変容し、典型的にはサトウキビの単作利用を長期にわたり化学肥料のみで継続し、溶脱の契機を深め、pHが4.1を示す事例が生じている。
米に次ぐ戦略作物であるサトウキビの土地利用を再編するには、堆厩肥施用を必須とする。現状では、ジャワ島の家畜使用の比重が低く、これは乾期の家畜飼料源がすくないことが、その理由となっている。この比重を高め、畑作に対する堆厩肥施用を拡充させることが必要である。
乾期の家畜飼料源を増やすには、無家畜を前提とする水田の慣行的水稲作利用を、有畜を前提とする、二期作+α作に再編し、プカランガン、畑地において、木本の比重を高め、シャドウィングによって、飼料作をつくることが必須である。このことにより、ジャワ島の原自然に適応した固有に暖地有畜経営を創造していくことが、ジャワ島農業・農村革新の主内容となると考えられる。

報告書

(4件)
  • 1996 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1995 実績報告書
  • 1994 実績報告書

研究成果

(12件)

すべて その他

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  • [文献書誌] 岩間 泉: "近くて遠い国-インドネシア-" 高梁川. no.52. 90-96 (1994)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 横溝 功: "農家金融のシステムと農家の資金需要-インドネシアの農村を事例として-" 『農林業問題研究』別冊 地域農林経済学会大会報告論文集. 3号. 47-52 (1995)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 岩間 泉: "無意識の前提と国際交流" 山陽新聞. 10月8日. 12 (1995)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 梅津頼三郎: "インドネシア(ジャワ島)駆け歩き" 日本草地学会 九州支部会報. 25. 60-63 (1995)

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      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Izumi IWAMA: "The more familiar Country in future-Indonesia-" Takase River. 52. 90-96 (1994)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Isao YOKOMIZO: "The System of Farmas' Finance and their Demand for Funds" Journal of Rural Problem, Seprate Volume. 3. 47-52 (1995)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Izumi IWAMA: "International Exchange-Think globally and act locally-" Sanyo Newspaper. Oct, 8. 12 (1995)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Raizaburo UMETSU: "A Running Walk in Indonesia" Japanese Society of Grassland Science, Kyushu Branch. 25. 60-63 (1995)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 岩間 泉: "近くて遠い国-インドネシア-" 高梁川. No.52. 90-96 (1994)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 岩間 泉: "無意識の前提と国際交流" 山陽新聞. 10月8日. 12 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 梅津頼三郎: "インドネシア(ジャワ島)駆け歩き" 日本草地学会 九州支部会報. 25. 60-63 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 横溝 功: "農家金融のシステムと農家の資金需要-インドネシアの農村を事例として-" 『農林業問題研究』別冊 地域農林経済学会大会報告論文集. 3号. (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-03-31   更新日: 2016-04-21  

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