研究課題/領域番号 |
06044162
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
小倉 興太郎 山口大学, 工学部, 教授 (40035077)
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研究分担者 |
侯 保栄 中国科学院, 海洋研究所, 教授
GESSER H.D. マニトバ大学, 化学科, 教授
中山 雅晴 山口大学, 工学部, 助手 (70274181)
長岡 勉 山口大学, 工学部, 助教授 (00172510)
HOU B Inst.of Oceanology, Academia Sinica
候 保栄 中国科学院, 海洋研究所, 教授
張 経磊 中国科学院, 海洋研究所, 主任研究員
侯 文泰 青島海洋腐食研究所, 副所長
秦 蘊珊 中国科学院, 海洋研究所, 所長
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1996年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1995年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1994年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 温暖化ガス / オゾン層破壊 / 電気化学 / 光化学 / 炭酸ガス / フロン / ピット腐食 / 積層膜電極 / 光と触媒 / メタン / 二重修飾膜 / 腐食 / 光触媒 / クロロホロム / 可視光還元 / 酸化チタンガラス |
研究概要 |
現在、各方面で指摘されているように地球温暖化ガス及びオゾン層破壊ガスの無害化あるいは低減化は地球環境保全のために緊急かつ重要な課題である。先進国のエネルギー事情や発展途上国の経済問題を考えると、これらの有害ガスの排出規制を早急に望ことは不可能である。そこで、本研究では、これらのガスを無害化するための低エネルギーで駆動する光・触媒または電気・触媒反応プロセスの開発を行った。 これらの大気環境問題を解決するためには国際協力が不可欠である。本研究では、日本、カナダ、中国の共同研究によりこれらの問題の解決を目指した。カナダグループでは新規の電極触媒及び光触媒を合成し、種々の分光法によってそのキャラクタリゼーションを明らかにした。日本グループでは、電極触媒あるいは光触媒を用いて有毒ガスの無害化プロセスを確立した。中国グループでは、我々の開発した無害化プロセスをガス発生源において適用し、主として材料の腐食・防食およびそのメカニズムについて研究した。 本共同研究は相互訪問による討論、共同実験、情報通信などにより密接に連絡をとりつつ遂行された。その結果、得られた成果はそれぞれの研究分担者によって米国電気化学会、国際電気化学会、日本化学会、日本電気化学会、腐食防食協会などで論文としてあるいは講演などを通じて公表されている。 1 機能性積層膜電極による地球温暖化ガスの有用物質への転換。 炭酸ガスを水溶液中で低エネルギーで有用物質(燃料または食糧)に転換することを目的として機能性膜電極を開発した。この電極は無機導電体と導電性高分子からなり、さらにこの導電性高分子に触媒として作用する金属錯体を固定したものである。CO_2は水溶液中において電極の導電性高分子と金属錯体によってバイファンクショナルに捕捉され、無機導電体/白金電極界面で発生する活性吸着水素原子によって水素化される。還元生成物は乳酸、ギ酸、メタノールなどの有用物質であった。また、これらの還元プロセスはほぼ熱力学的電位で起こり、ほとんど過電圧を必要とせず低エネルギーで駆動することを明らかにした。FTIRスペクトル測定の結果によれば、CO_2電解後、-CONH-の存在が明らかになったが,これはCO_2の求電子的炭素原子とPAnのアミノ基の窒素原子の結合によるものであることを示している。一方、CO_2の酸素原子は求核的であるので錯体の中心金属に配置する。つまり、CO_2は積層膜と金属錯体によってバイファンクショナルに活性化されることになる。この活性化段階がCO_2のC_3化合物への転換の鍵となる。 2 メタンおよびフロンの紫外光分解と無害化。 オゾン層破壊物質であるフロンを紫外光照射下で分解し、発生する活性種を金属粉末で捕捉することによって無害化した。活性な含塩素種は金属粉末とほぼ100%反応し、塩化物として固定、無害化された。化学的に極めて不活性なメタンは水の紫外光分解によって発生するヒドロキシルラジカルによる水素引き抜き反応によって活性化できることを見いだした。生成したメチルラジカルはカップリング反応によってメタノールやエタンに転換することが分かった。 3 塩素イオンによるステンレス鋼のピット腐食と防食。 塩素イオンを含む溶液中でステンレス鋼のピット腐食と防食について研究した。ステンレス鋼のピット発生電位を電気化学的手法によって測定し、走査電子顕微鏡および走査トンネル電子顕微鏡観察から研究した。ステンレス鋼のピット発生の抑制には、シリコンとモリブデンの添加が有効であることを明らかにした。
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