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高電界超伝導加速空洞の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06044219
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関高エネルギー物理学研究所

研究代表者

野口 修一  高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助教授 (80156182)

研究分担者 MATHEISEN A  ドイツシンクロトロン研究所, 加速器研究部, 研究員
SEKUTOWICZ セチェク  ドイツシンクロトロン研究所, 加速器研究部, 研究員
GAMP Alexan  ドイツシンクロトロン研究所, 加速器研究部, 主任研究員
PROCH Diete  ドイツシンクロトロン研究所, 加速器研究部, 主任研究員
田島 健  高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助手 (50179694)
加古 栄治 (加古 永治)  高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助手 (60204351)
斉藤 健治  高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助手 (10178478)
古屋 貴章  高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助教授 (70156975)
小野 正明  高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助教授 (50160916)
諫川 秀 (諌川 秀)  高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 教授 (20100810)
黒川 真一  高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 教授 (90044776)
SEKUTOWICZ J  ドイツシンクロトロン研究所, 加速器, 研究員
MATHEISEH Ax  ドイツシンクロトロン研究所, 加速器, 研究員
PROCH Dieter  ドイツシンクロトロン研究所, 加速器, 主研究員
GUMP Alexade  ドイツシンクロトロン研究所, 加速器, 主研究員
肥後 壽泰  高エネルギー物理学研究所, 加速器, 助手 (10156581)
松本 浩  高エネルギー物理学研究所, 加速器, 助手 (90132688)
吉岡 正和  高エネルギー物理学研究所, 加速器, 助教授 (50107463)
研究期間 (年度) 1994 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1995年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1994年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
キーワード超伝導空洞 / 高加速電界 / 超伝導破壊 / 電界放出電子
研究概要

超伝導加速空洞の優れた加速性能は高エネルギー研のトリスタンにおいて世界で初めて実証され、その後もドイツ,スイス,米国においてより大規模に実用化され、その有効性は確固たるものになった。しかし歴史の新しいこの技術には大きな改良の余地があり、その改良により応用範囲が飛躍的に広がると期待されている。現在最も性能が良いニオブで作られた空洞の最高加速電界は、実験室においてさえ30MV/mで材料特性から予測される50MV/mよりかなり低い。この原因は高周波電磁界にさらされる空洞内表面の汚れ、ごみ、欠陥等の不完全さによるもので、わずかな発熱による熱的超伝導破壊あるいは電子の電界放出という形で加速電界を制限する。この電界を押し上げるには、材料、空洞成形、溶接、表面処理、組み立てといった一連の工程での不完全さの発生原因を明らかにし、最適な対処方法を確立しなければならない。この為の研究が世界中で進行中で、その情報交換も行なわれているが、より組織的な研究協力が重要である。本研究ではドイツのデジ-及びその共同研究所であるフランスのサクレー等と協力し、加速電界を制限する要因を明らかにし、その対処方法を開発することを主目的とした。材料はニオブヌ測定回数を増やす為1.3GHzの単セル空洞を主に用いた。2年間の開発研究での最大の成果は、最高記録を35MV/mとし30MV/mの加速電界を安定に実現できるようになったことで、一連の工程について以下の事が明らかになった。
1)現状の技術の挫折で30MV/mの加速電界を安定に実現する為には、50W/mK以上の熱伝導率の材料が必要であり、20W/mkの材料では最高でも20MV/mであった。しかし80W/mKの材料でも加速電界の向上は見られず、欠陥等での発熱の放散がニオブとヘリウム間の熱伝達に支配されている可能性が強い。
2)製作工程中に生成される内表面のキズや溶接欠陥の除去の為、通常100〜200μmの研磨が必要で、化学研磨あるいは電解研磨が用いられる。高価な研磨液を節約することは廃液の処理問題の点からも重要で、セラミックチップによる機械研磨を試みた。化学研磨あるいは電解研磨による仕上げが不可欠であるが、その研磨量を20μmにまで減らせることがわかった。
3)80気圧の高圧シャワー水洗により、電解放出電子による超伝導破壊の限界を従来の20〜25MV/mから、30〜35MV/mに引き上げた。水圧、水洗時間の最適化は続行中であり、同様の効果が期待されるIMHzの超音波による水洗も引き続き試験が必要である。
4)水洗に使用する水の質は非常に重要で、通常、電気抵抗率が15MΩmで0.1μmのフィルターを通した超純水が使われているが、この高価な水がどこまで必要かは、これまで調べられなかった。我々は高圧シャワー水洗に抵抗率が5MΩmで 0.1Mmのフィルターを通してた純粋を使っても、その後に超純水によるすすぎ水洗を行なえば、30MV/mの電界を達成できることを確かめ、現在すすぎ水洗での水質の影響を試験中である。
5)1300℃以上での高温真空熱処理の効果は、サクレー等の3研究所で確認されており、25MV/m以上の加速電界を得る必要条件とされてきた。我々は材料の異なる3個の空洞に1400℃の真空熱処理を行なったが、性能の改善は全くみられていない。これが他研究所では行われていない高圧シャワー水洗の効果なのか、あるいは我々の熱処理に問題があるのかを確認する為、我々の空洞がサクレーにて試験中である。
以上,1.3GHzのニオプ製単セル空洞において30MV/mの加速電界を安定に実現できるようになったものの、依然として改良の余地は大きい。高圧シャワー水洗の効果が大きかったことから、現在の限界も表面処理中の汚染が原因である可能性が高く、処理液の管理、より強力な水洗方法の開発を進める予定である。ヌラジ-においても我々のものをさらに強力にした高圧シャワー水洗装置の導入により1.3GHzの9連空洞で26MV/mの加速電界を達成している。

報告書

(2件)
  • 1995 研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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