研究分担者 |
札野 順 金沢工業大学教養学科, 教授 (90229089)
前島 正裕 国立科学博物館, 理工学研究部, 研究官 (50209368)
RICE Richar テネシー大学, チャクヌガ校・ジャパンプログラム, 主任教授
PETERS Tom リーハイ大学, 建設学部, 主任教授
CUTCRIFFE S リーハイ大学, STSプログラム, 主任教授
竺 覚暁 金沢工業大学, 建築学部, 教授 (30064447)
CULCRITE Ste リーハイ大学, STSプログラム, 主任教授
RICE Richard テネシー大学, チャタマガ校・ジャパンプロジェクト, 主任教授
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研究概要 |
本研究は、平成6年度、平成7年度の2年度に渡る日・米の共同研究である。以下当該年度毎に研究実績の概要を記す。 〈平成6年度〉 本研究は「日本における技術の近代化」とはいかに行われたかを,米国との比較研究によって行うことを基本的な目的としている。初年度においては、本研究において、計画時に想定した「ケース・スタディ」の妥当性について,米国側との調整等を行った。想定したケース・スタディの対象は,「建設」及び「電気」技術であった。 この2分野の技術の近代化について、米国側研究者との比較研究の為の詳細な対象テーマの設定と研究方法の検討を行った。これは,本研究の様な比較研究においては技術発達の背景となる相互の社会的・文化的相違を考慮しておく必要があるためである。この詳細な研究対象の決定と比較研究方法について,日本の研究者相互間で調整を行った。この結果 (1)建設技術の近代化に関しては,「耐震構造技術及び構造基準」の発達についての日米の比較研究 (2)電気技術の近代化に関しては「家庭用エアコンディション」の発達についての日米の比較研究 を行うこととした。平成6年度においては両国においての両技術の発達の概要を把握し、比較検討の方法についての方法論を確立を行った。 この為、(1)日本側から研究者を派遣し米国各地においてのこれ等の技術についての調査を行うとともに,米国側研究者との検討を合同で行った。 (2)米国側より研究者2名を招聘し,日本側の各地を調査するとともに,日本側研究者との研究打ち合わせを行った。 〈平成7年度〉 平成6年度の実績に基づき,最終年度の平成7年度では次の様な成果を上げた。 [アメリカ側の調査研究成果] (1)アメリカにおける,地震工学の発達と日本での地震学の発達の調査研究。 (2)日本における家庭用エアコンディションの概要の発達 [日本側の調査研究成果] (1)日本の耐震構造技術の発達と耐震構造技術の変遷 (2)アメリカにおける家庭用エアコンディショニング発達の概要 以上の調査と研究を行い,両国研究者によって比較検討が行われた。この為本年度は日本側から2回に渡りアメリカに研究者を派遣し,現地での調査・研究及び研究打ち合わせを行った。また、アメリカ側からは1名の研究者を招聘し,日本の発達史の調査及び,最終的な調査結果のまとめを行った。 以上により,本研究では次のような実績を上げることができた。 1.新しい知見の概要 1)日本の耐震構造学の発達は,明治期より地震観測の結果及び構造技術の開発などにおいて相互に密接な関係のあること。 2)耐震規模の発達は,日本においてかなりの相違がみられ,これは両国の社会システムの違いが背景にあると考えられること。 3)家庭用エアコンの発達は,両国の生活スタイルと住宅事情の相違と深く関わり,日本においてエアコンディション製品にはかなりの設計思想の相違がみられること。 2.総合的結果 技術(産業技術を含む)の発達は,それ自体が成り立つものでは無く,社会的・国土的な背景に強く影響を受けながら発達する。この事実を「建設」・「電気」の技術分野を検討し,日本と米国においての技術発達の相違を明瞭にした。本研究の詳細な結果は「報告書」にし,刊行する予定である。
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