研究課題/領域番号 |
06044251
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
有賀 祐勝 東京水産大学, 水産, 教授 (10017022)
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研究分担者 |
KOH ChulーHwa ソウル国立大, 教授
LEE In Kyu ソウル国立大, 教授
田中 次郎 東京水産大, 水産, 助教授 (30167499)
能登谷 正浩 東京水産大, 水産, 教授 (80208371)
菊地 永祐 東北大, 理, 助教授 (00004482)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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キーワード | 海藻 / 底生動物 / 潮間帯 / 河口域 / 多様性 / 分布 / 日本 / 韓国 |
研究概要 |
12月には韓国ソウル大学を訪問し、韓国側研究分担者の李仁圭教授及び高哲煥教授と研究打ち合わせを行い、あわせて日韓両国における海産底生生物研究の現状及び今後の研究協力のあり方について情報交換並びに意見交換を行った。また、韓国における底生生物の研究の成果はほとんど韓国の国内誌に発表されているので、韓国誌について文献資料調査を行った。 韓国沿岸の海藻類については、12月には東海岸を北の江陵市から南の浦項市まで回り、その間の数か所の潮間帯で観察と採集を行うと共に、江陵大学、水産振興院培養所、東海水産研究所などで情報交換並びに資料収集を行った。また、3月には南海岸を釜山市、忠武市、麗水市などを中心に回り、潮間帯の現地調査を実施すると共に、釜山水産大学、統營水産専門大学校、麗水水産大学などで情報交換並びに資料収集を行った。 また、日韓両国の海藻植生を更に比較するため、日本の日本海沿岸の海藻植生に関する資料の収集を行った。 韓国沿岸の海藻植生は、全体としては日本沿岸の海藻植生とよく似ており、大きな違いは無いように見えるが、韓国南海岸の海藻植生でもどちらかと言えば日本の東北地方の植生に似ていることがほぼ明らかになった。このような特徴に関しては、水温を始めとする沿岸環境の生態学的特性を考慮して更に検討を要するものと考えられる。また、韓国南部沿岸においては、ノリ、ワカメ、コンブなどの養殖が盛んに行われており、天然物を含めて食用海藻類の利用は極めて盛んである。これまでに得られた資料などを用いて、更に詳細な検討を進めている。 沿岸底生生物群集については、10月下旬の日韓セミナーに参加した分担者の菊地はソウル大学を訪問して、李教授並びに高教授と打ち合わせを行い、更に底生動物に関する資料の収集を行った。韓国の沿岸底生動物の研究は、水産的に有用な貝類の研究が中心で、底生動物群集全体の分布や多様性に関する研究でデータの蓄積はまだあまり進んでいないことが明らかになった。韓国の沿岸、特に西海岸では干満の差が極めて大きく、世界でも有数の広大な干潟が発達しており、底生動物の多様性及び分布を考える上で重要であるばかりでなく、魚介類の生産の場並びに鳥類の飛来地としても重要である。このような理由から、干潟に関する研究データは比較的多いといえる。そこで高教授とはとくに日本と韓国の干潟底生動物についての情報交換を行い、更に韓国の干潟の底生動物の生産力に関する資料の収集を行った。また、日本沿岸の底生動物相に関する文献資料の収集を行うと共に、特に干潟底生動物に関しては仙台近郊の干潟において補足的な実地調査を行った。その結果、韓国釜山の洛東江河口干潟と太平洋に面する仙台近郊の河口干潟の間でもその底生動物相は類似していることが明らかになった。
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