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遺伝子導入による乳腺及び消化器官を標的としたトランスジェニック動物の作出

研究課題

研究課題/領域番号 06044260
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関岡山大学

研究代表者

丹羽 晧二  岡山大学, 農学部, 教授 (40089115)

研究分担者 金 珍會  韓国建国大学, 動物資源研究所, 研究員
李 勲澤  韓国建国大学, 動物資源研究所, 助教授
鄭 吉生  韓国建国大学, 動物資源研究所, 教授
高橋 清也  農水省畜試, 繁殖部, 研究員
徳永 智之  農水省畜試, 繁殖部, 研究員
今井 裕  農水省畜試, 繁殖部細胞操作研究室, 室長
奥田 潔  岡山大学, 農学部, 助教授 (40177168)
KIM Jin-hoi  Kon-Kuk University, Reserch Student
LEE Hoon-taek  Kon-Kuk University, Associate Professor
CHUNG Kil-saeng  Kon-Kuk University, Professor
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
キーワード遺伝子導入動物 / マウス / 乳蛋白 / 胚性幹細胞 / 胚発生
研究概要

1.導入遺伝子の構築に関する研究:
マウス受精卵への遺伝子導入に用いる遺伝子の基本構造は、発現調節領域と発現遺伝子本体からなる。発現調節領域には、遺伝子を遺伝子導入動物の乳汁中へ特異的に発現されるために、ウサギのβ-カゼイン遺伝子の第一イントロンの一部と転写開始部位から上流2.2kbを用いた。この領域にはTATAとCAATからなる典型的なプロモーターと転写因子の結合領域に似通った核蛋白質結合領域(NP binding site)に加えて、イントロン内にグルココルチコイドレセプター結合領域(GRBE)が存在している。発現遺伝子としてはヒト黄体ホルモン(LII)のβサブユニットのゲノム遺伝子を用いた(2.3kb)。転写産物を安定化させるpoly (A) siteはLII遺伝子のそれを利用している。黄体ホルモンの生物活性はβサブユニットの糖鎖構造に依存していることから、乳汁中に産出された遺伝子産物の糖鎖構造および機能を解析するうえで有用な蛋白質である。受精卵への遺伝子導入に際しては、これらのβ-カゼイン遺伝子発現調節領域およびヒトβ-LIIサブユニットゲノム遺伝子配列を接続した4.5kbの遺伝子を用いた。
2.体外受精によるマウス受精卵の作出と受精卵の体外培養に関す研究:
遺伝子導入用の均一な前核期受精卵を得るための体外受精法の確立と受精卵の体外培養条件について検討した。ICR系雌マウスから過剰排卵処理によって排卵卵子を回収し、精巣上体精子によって体外受精を行った。その結果、すべての卵子に精子の侵入が認められた。これらの卵子をM16培養液中で120時間体外培養を行ったところ、M16液中では胚発生は全く認められなかったが、培養液にEDTAを添加することにより95%(122/128)が胚盤胞期に発生した。
3.マイクロインジェクション法による受精卵への遺伝子導入とトランスジェニックマウスの作出に関する研究:
上記1で構築した導入遺伝子を、マイクロインジェクション法を用いてマウス受精卵前核に5μg/mlの濃度で3-6pl注入し、120時間体外培養を行った。998個の遺伝子導入卵子の内474個(47.5%)が胚盤胞期に発生した。これらを偽妊娠雌マウスの子宮内に移植したところ、65頭の産子を得た。PCR法およびサザン法による解析から、これらの産子の内の5頭が遺伝子導入マウスであることと判明した。遺伝子の染色体への導入形態は、head to tailであり、導入コピー数は1-40コピーであった。正常マウスとの交配により、これら全ての遺伝子導入マウスは導入遺伝子を次世代に伝達した。導入遺伝子領の乳腺内での発現をサンドイッチELA法により解析したところ、3頭の遺伝子導入マウスに0.8-1.6mIU/mlのLIIβ遺伝子産物の発現を確認した。
4.マウス初期胚および生色細胞由来の未分化細胞株作出条件の検討:
未分化細胞を用いた効率的な遺伝子導入法を確立するために、マウス胚盤胞期胚および原始生殖細胞(PGCs)からの未分化細胞株の樹立と樹立にともなう増殖因子の影響について検討した。マウス胎子線維芽細胞(MEF)あるいはマウス骨髄由来細胞(ST2)を支持細胞とする培養系において、胚細胞および生殖細胞はそれぞれ異なった増殖形態をとった。胚盤胞期胚はMEF支持細胞上で培養することにより、未分化細胞の株化が可能であったが、ST2支持細胞上ではその増殖は支持されなかった。また、未分化細胞の樹立に培養系への増殖因子の添加を必要としなかった。一方、PGCsの培養では、MEFは胚細胞と異なりPGCsの増殖に対する効果は認められなかったが、ST2細胞を支持細胞とし、増殖因子(LIFおよびbFGF)を培養液中に添加することによってのみPGCsの増殖が認められた。しかし、いずれの条件下でも体外でのPGCsの増殖は5日間に限られ、胚細胞のような未分化細胞の株化には至らなかった。

報告書

(1件)
  • 1994 研究成果報告書概要

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公開日: 1996-04-15   更新日: 2016-04-21  

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