高等教育におけるカリキュラムの国際化に関する調査研究

• 研究課題/領域番号: 06044263
• 研究種目: 国際学術研究
• 配分区分: 補助金
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 江淵 一公 九州大学, 教育学部, 教授 (60036845)
• 研究分担者: マリーク ヴェンデ オランダ高等教育国際協力機構, 国際学術交流局, 研究員 ; アラン ワグナー OECD, CERI, 主任研究員 ; 亀岡 雄 OECD, CERI, 研究員 ; 竹熊 尚夫 九州大学, 教育学部, 助手 (10264003) ; マルカム スキルベック OECD, CERI, 次長 ; 山本 眞一 筑波大学, 大学研究センター, 助教授 (10220469) ; 田中 義郎 玉川大学, 文学部, 助教授 (00188351) ; 馬越 徹 名古屋大学, 教育学部, 教授 (60000030) ; 井下 理 慶応大学, 総合政策学部, 助教授 (30129069) ; 荒井 克弘 広島大学, 大学教育センター, 教授 (90133610) ; 白土 悟 九州大学, 留学生センター, 助教授 (60154374) ; 望田 研吾 九州大学, 教育学部, 教授 (70037050) ; 吉谷 武志 九州大学, 教育学部, 助教授 (60182747) ; 稲葉 継雄 九州大学, 教育学部, 助教授 (00134180) ; 丸山 孝一 九州大学, 教育学部, 教授 (80037035) ; SKILLBECK Malcom Director, CERI/OECD,FRANCE ; WAGNER Alan Chief Researcher, GERI/OECD,FRANCE ; WENDE Marijk van der Research Coodinator, The Netherlands Organization for International Cooporation
• 研究期間 (年度): 1994
• 研究課題ステータス: 完了 (1994年度)
• キーワード: 高等教育 / カリキュラム / 国際化 / 大学 / 留学生教育 / 留学交流

研究概要

1.研究計画の目的
この研究は、経済協力開発機構・教育研究革新センター(OECD/CERI)の国際協同研究事業「国際化の新段階における高等教育の研究」(Higher Education in a New International Setting)プロジェクトへの協力の一環として、オランダ高等教育国際協力機構(Nuffic)との国際協同研究により実施したものである。調査研究の目的は、近年、世界的潮流となっている高等教育の国際化の実態、意義、問題点等を、とくに「カリキュラムの国際化」に焦点を合わせて調査研究し、高等教育の国際化の将来的展望を明らかにすることにある。
世界の大学では、留学生や研究者の組織的及び非組織的国際交流のための新しいプログラムの開発や、国際協力・開発に関連する新しい研究・教育のための組織の新増設など、国際化を志向する高等教育・研究の充実開発が顕著である。わが国でも、国際関係学部・学科や国際文化学部・学科等の新設、大学院国際協力・国際開発研究科の新設、また国際語による外国人学生教育コースの新設、国際資格取得のためのカリキュラムの開発等、国際化に関連する教育・研究組織の発展が著しいが、それらの実態は必ずしも明らかではない。本研究は、国際比較の視点から基本的に共通の枠組みを用いて実態の把握を試み、高等教育のカリキュラムの国際化に関する国際比較研究のための基礎資料を収集するとともに、わが国の大学のカリキュラムの国際化に関する理論的、実践的知見を獲得することを意図したものである。
2.研究の実施経過と内容
(1)OECD及びNufficとの協議による調査の理論的枠組みの設定と日本の事例研究のためのプロトコルの作成を目的とする日本側研究チームの研究会の開催。
(2)上記の理論的枠組み並びにプロトコルに基づき、わが国の事例研究対象大学を次のような仮説的類型論に基づいて選定し、各事例大学における教育組織やカリキュラム理念、それらがめざしている人材育成の特色、その実際の成果(学生の進路など)や学術研究の発展に対する効果、それらのカリキュラムの開発方法・動機・経緯等について、文書資料収集と関係者面接調査を実施。
・国際関係・国際問題を内容とする科目群
・既存科目の内容の国際的比較の視点と方法の導入による拡張
・国際的専門職資格取得のためのカリキュラム
・異文化間コミュニケーション技能獲得のためのカリキュラム
・学際的地域研究・広域研究
・二重学位取得プログラム
・外国研修を必修とするカリキュラム
・留学生受入れのための特別プログラム
(3)OECD及びNuffic側分担各1名を九州大学に招き、上記の調査結果について日本側各研究分担者発表会を兼ねた国際共同セミナーを開催。
(4)調査研究成果の国際比較分析・整理、並びに1995年11月パリOECD本部で開催予定のOECD/CERI国際協同研究集会に提出する研究成果報告のまとめ方について協議するため、日本側分担者2名がオランダNuffic及びOECDを訪問。
3.調査研究結果の要点(抄)
日蘭両国の大学に関する事例研究調査から、両国において多様なプログラムの開発が目立ち、とくにわが国の場合、仮説的類型のほとんどすべてをカバーする事例がが見出された。カリキュラムの国際化は、主に自国民学生対象のものと留学生対象のものとに大別される。前者については、異文化間のコミュニケーション技能の獲得をめざすプログラムから、世界労働市場をにらんだ国際的に通用する専門職資格の取得を助けるプログラムに至るまで、多様なケースが見出された。そうした国際化されたカリキュラムの開発には、外国の有力大学との国際的協力関係を活用しようとする傾向が認められた。また後者については、近年、両国に共通する特色として、国際語(英語)による留学生プログラム開発が漸増していることが特筆される。

研究成果

• [文献書誌] 江淵 一公: "教育の国際関係" 比較教育学研究. 20. 15-23 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Kengo MOCHIDA: "Report 5:Diverse Models of Exchange and Double Degree Programs:The Case of Kansai University of Foreign Studies" Kyushu Univ.Faculty of Education Hiken/PICEC, 19 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Yoshiro TANAKA: "Report 6:Obirin University and Southern Illinois University at Carbondale in Niigata" Kyushu Univ.Faculty of Education Hiken/RICEC, 37 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Takeshi YOSHITANI: "Report 7:A New Nodel of Collge Education in English:The Case of Miyazaki Internationl College" Kyushu Univ.Faculty of Education Hiken/RICEC, 21 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Satomi Shiratsuchi: "Report 8:A Model of Comparative of Cultures:The Case of Joshi(Sophia)University" Kyushu Univ.Faculty of Education Hiken/RICEC, 19 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Tohru UMAKOSHI: "Report 9:International Development Program:The Case of Nagoya University" Kyushu Univ.Faculty of Education Hiken/RICEC, 13 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Katsuhiro ARAI: "Report 10:International Co-operation Program:The Case of Hiroshima University" Kyushu Univ.Faculty of Education Hiken/RICEC, 18 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Marijk van der Wende: "DRAFT REPORT:Case Studies on Internationalizing the Curriculum in the Netherlands-a study commissioned by the Dutch Ministry for Edrcation,Culture & Science," Nuffic,The Hague,Kyushu Univ.Faculty of Education Hiken/RICEC, 57 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Kazuhiro EBUCHI: "A BACKGROUND PAPAER:Recent Trends of Internationalization of Curriculum in Japanese Universities:An Overview" Kyushu Univ.Faculty of Education Hiken/RICEC, 15 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Kazuhiro EBUCHI: "Report 1:"JTW"Program and "RIBA"Plan at Kyushu University" Kyushu Univ.Faculty of Education Hiken/RICEC, 24 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Osamu INOSHITA: "Report 2:New International Education Programs:The Case of Keio and Tokyo International Universities" Kyushu Univ.Faculty of Education Hiken/RICEC, 14 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Koichi MARUYAMA: "Report 3:On the International Dividion at Waseda University" Kyushu Univ.Faculty of Edrcation Hiken/RICEC, 13 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Shinichi YAMAMOTO: "Report 4:New Modeos of Interenational Education Programs:The Case of Universities of Tsukuba and Saitama" Kyushu Univ.Faculty of Education Hiken/RICEC, 19 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Tsugio INABA: "Report 11:A New Area Studies Program:The Case of Niigata Sangyo University" Kyushu Univ.Faculty of Education Hiken/RICEC, 24 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 馬越 徹: "韓国近代大学の成立と展開-大学モデルの伝播研究-" 名古屋大学出版会, 307 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Ebuchi, Kazuhiro: "Studies of International Relationship in Education" Comparative Education. 20. 15-23 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Marijk'van der Wende: DRAFT REPORT : Case Studies on Internationalizing the Curriculum in the Netherlands -a study commissioned by the Dutch Ministry for Education, Culture & Science, coordinated by the OECD/CERI Secretariat and conducted by Nuffic- Nuffic, The Hague, 57 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Kazuhiro EBUCHI: RICEC/Hiken, FACULTY OF EDUCATION,KYUSHU UNIVERSITY. A BACKGROUND PAPAER : Recent Trends of Internationalization of Curriculum in Japanese Universities : An Overview, 15 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Kazuhiro EBUCHI: Report 1 : "JTW" Program and "RIBA" Plan at Kyushu University, 24 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Osamu INOSHITA: Report 2 : New International Education Programs : The Case of Keio and Tokyo International Universities, 14 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Koichi MARUYAMA: Report 3 : On the International Division at Waseda University, 13 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Shinichi YAMAMOTO: Report 4 : New Models of Interenational Education Programs : The Case of Universities of Tsukuba and Saitama, 19 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Kengo MOCHIDA: Report 5 : Diverse Models of Exchange and Double Deoree Programs : The Case of Kansai University of Foreign Studies, 19
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Yoshiro TANAKA: Report 6 : Obirin University and Southern Illinois University at Carbondale in Niigata, 37
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Takeshi YOSHITANI: Report 7 : A New Model of Collge Education in English : The Case of Miyazaki International College, 21
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Satomi Shiratsuchi: Report 8 : A Model of Comparative Studies of Cultures : The Case of Joshi (Sophia) University, 19
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Tohru UMAKOSHI: Report 9 : International Development Program : The Case of Nagoya University, 13
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Katsuhiro ARAI: Report 10 : International Co-operation Program : The Case of Hiroshima University, 18
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Tsugio INABA: Report 11 : A New Area Studies Program : The Case of Niigata Sangyo University, 24
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Tohru Umakoshi: Nagoya Univ.Press. Success and Development of Modern University in South Korea, 307 (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より