研究分担者 |
PARK Yong Ji 漢陽大学, 教授
LEE Choong W ソウル大学, 助教授
LEE Jae hong ソウル大学, 教授
小野里 邦好 群馬大学, 工学部, 教授 (10143710)
田中 良明 東京大学, 工学部, 助教授 (30133086)
小松 尚久 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (30195846)
富永 英義 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20063688)
PARK Y. Han Yang University
LEE C. Seoul University
LEE J. Seoul University
TANAKA Y. Tokyo University
ONOZATO K. Gunma University
TOMINAGA H. Waseda University
KOMATSU N. Waseda University
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研究概要 |
近年まで地球局の高い価格や衛星が不足していたため,大学において衛星通信の実験を実施するととは非常に困難であった.しかし1985年の制度改正の結果1989年に民間企業が自家の衛星を使用した商業衛星通信サービスの口火を切った.Kuバンド周波を使用したこれらの衛星の強力な力量は極小径の端末やVSATを新しいタイプの衛星通信実現のために利用することを可能にし,アメリカにおけるVSATの市場が成長するにつれてその価格は著しく減少した. 衛星通信を包括する環境の変化に応じて,日本サテライトシステムズ社と共同で本国の大学5校が1991年6月に小規模な研究グループを設立した.同社は本国において衛星通信事業を行なっている民間企業の一社であり、衛星を使用した実験を始めている.この研究グループは年々規模を拡大していったが,1994年3月には,より活発にオープンに衛星通信における研究と実験を促進する目的で,前出の日本サテライトシステムズと共同でディジタル衛星通信における大学間共同研究グループ(UnSAT JSG)が設立された.本国においては40校以上の,韓国,中国においては各2校の大学が同研究グループに加盟した.また,約30校が自前の地球局を利用してKuバンド衛星経由で様々な実験を行なっている. UnSAT JSGにおける大学間で実施/計画されている実験の概要を紹介する.UnSAT JSGは独立している8つのワーキンググループから構成される.これらのグループは衛星通信の研究において,無線伝播の特徴,通信計画,大学間のネットワーク構成,ビデオの伝達やセキュリティ,画像とコンピューターデータ等の面で相互に協力しあう.次に主要な実験事項について挙げる. (1)Kuバンド伝播の特徴:Kuバンド衛星を利用した現場実験で入手したデータに基づいて降水の減衰が分析されている.上下するリンクの周期によるリンクの退化の差が概算され,短期のリンク退化の変化の分析が測定されたデータにより試みられる.(2)調整/符号化,マルチアクセス:衛星と地球チャンネルを合体した多角的な符号化の計画は発達し,実験で測定された特徴により,エラーなしの長さと微量のエラーの速度という点においてはその成果の向上は証明された.これはパワー抑制で生じた捕獲効果により,割り当てられたスロットにおいて伝達の優先を可能にするものである.このシステムの主要な要因である捕獲効果は衛星を使用した実験によって測定される.(3)バケットコミュニケーション:バケットの長さがリンクの状況に適応して変わるPC-USATシステムは小価格化と厳重なリアルタイムオペレーションの要求をなしにネットワークのシステムの依存性の向上を実現するために発達した.(4)画像データの伝達:静止画像の伝送にはJPEG,JBIG方式,また自然画像の伝送にはMPEG方式が検討されており,そのシステムは実用化されつつある.これらに加え,さらに高精細は画像情報を必要とする医療の画像伝送(超音波の心臓画像やX線CT画像のような)実験が衛星を経由して実行される. 発展した衛星の登場は現実の衛星を使った実験を可能とし,大学間の衛星コミュニケーションの研究・実験に導いた.衛星コミュニケーションだけでなくコンピュータ・画像・医療情報といった応用分野の多くのエキスパートによりコストが有効な衛星コミュニケーションネットワーク,とりわけ大学間の教育的コミュニケーションの新しいアイデアを提案することを可能とするであろう.さらに,衛星はボ-ダレスコミュニケーションを与える先天的ポテンシャルを持っている.その意味では衛星コミュニケーションは国内コミュニケーションと同じように国際コミュニケーションの重大な役割を演じている.そのメンバーをその地域の大学の協力の重要性を考えた上でアジア環太平洋地域に広げたいと思っている.たとえ,利用できる衛星を探したり,国際コミュニケ-ショュンの実験の許可を手に入れたいといった大きな問題があっても,衛星経由の実験が近い将来,アジア環太平洋地域に広く広まることを国際協力から期待されるのである.
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