研究課題/領域番号 |
06044270
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹井 祥郎 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10129249)
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研究分担者 |
BALMENT Rich マンチェスター大学, 生物科学部, 教授
HAZON Neil セント, アンドリュース大学・ガッティー臨海実験所, 講師
浜野 かおる 水産庁, 中央水産研究所, 農林水産技官
兵藤 晋 東京大学, 教養学部, 助手 (40222244)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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キーワード | アンギオテンシン / エンドセリン / ANP / バソトシン / 浸透圧調節 / ウナギ / カレイ / ニジマス |
研究概要 |
1.竹井は、マンチェスター大学のBalment教授の研究室を訪問して、博士が実験動物として用いているカレイ(Platichthys flesus)を用いて次の実験を行なった。 (1)カレイに血管弛緩物質であるpapaverineを注射して血圧を下げ、その後経時的に血漿アンギオテンシン濃度、バソトシン濃度、飲水量等を測定した。次に、血液中でのアンギオテンシンの生成を抑制するカプトプリルで前処理した際の、バソトシン分泌や飲水量に対する影響を調べた。哺乳動物では、アンギオテンシンが、バソプレシン分泌や飲水を促進することが知られている。 (2)竹井は、ウサギで心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)の構造を魚類で初めて明らかにし、それを合成した。そこでそのANPをヨーロッパウナギに注射して、血液中のアンギオテンシンやバソトシン濃度に対する影響を調べた。哺乳動物では、ANPはアンギオテンシンの生成やバソプレシンの分泌を抑制することが知られている。 2.兵藤も、マンチェスター大学のBalment博士の研究室を訪問して、次の実験を行なった。 (1)兵藤は、自らクローン化したニジマスバソトシンのcDNAを用いて、ニジマスを淡水から海水に移すとバソトシンmRNAの発現が減少することを明らかにした。一方、Balment博士のグループは、バソトシンのラジオイムノアッセイを用いて、ニジマスを淡水から海水に移すと血漿バソトシン濃度が減少することを明らかにした。そこで、カレイに対して同様の実験を協力して行なった。 (2)アンギオテンシンが、バソトシンの血漿濃度を上昇させることは既に述べたが、同時に合成速度も上昇しているか否かを調べるため、アンギオテンシンを注射した後の、ニジマス視床下部におけるバソトシン合成速度の継時的変化を調べた。 3.浜野は、以前共同研究を行なったセント・アンドリュース大学のHazon博士を訪問して、次の実験を行なった。 (1)竹井らは、軟骨魚類にはないといわれていたアンギオテンシンをドチザメで発見し、その構造を明らかにした。そこで合成ホルモンを用いて、ドチザメの血圧に対する作用を調べたところ、作用機構が他の魚類と異なることが明らかになった。そこで今回、ドチザメの単離血管標本を用いて、アンギオテンシンの作用機構を更に明らかにした。 (2)竹井らは、ドチザメでC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)を単離し、これが唯一のサメのナトリウム利尿ペプチドであることを明らかにした。そこで、合成CNPを用いて、ドチザメの単離血管標本に対する作用を調べた。
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