研究課題/領域番号 |
06045001
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
浅川 昭一郎 北海道大学, 農学部, 教授 (00109505)
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研究分担者 |
AHERN Jack F Univ. of Massachusetts Dept. of L. A. & R. P., Associate
FABOS Julius Univ. of Massachusetts Dept. of L. A. & R. P., Professor
愛甲 哲也 北海道大学, 農学部, 助手 (30261332)
中村 太士 北海道大学, 農学部, 助教授 (90172436)
矢沢 正士 北海道大学, 農学部, 助教授 (30001473)
石井 寛 北海道大学, 農学部, 教授 (10002057)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ランドスケープ / アセスメント / 土地利用 / 農業 / 森林 / 生態 / ランドスケープ・アセスメント / METLAND / 都市化 / 適合性 / 農林地 |
研究概要 |
マサチューセッツ大学からJack Ahern助教授を北海道大学に招聘し、北海道大学の3名がマサチューセッツ大学等を訪問し、両国における土地利用政策とランドスケープアセスメントに関する調査を行うと共に論議を深めた。また、昨年度より実施してきた調査を踏まえ、研究グループのメンバーはそれぞれの専門分野から、次のような報告をまとめた。 1.石井は、北海道、マサチューセッツ州、カリフォルニア州における土地利用と森林政策の比較を行い、歴史的、社会的背景の相違を明らかにし、産業構造に関しても北海道においては第一次産業、特に農業の比重が高く、土地利用においてもこれが強く左右していることを示し、ランドスケープアセスメントの背景を整理した。 2.矢沢、浅川、愛甲らは、札幌都市圏における土地利用変動を分析し、土地利用変化の主なパターンとしては、農地から市街地、農地から自然地への変化を見いだした。このうち前者は、札幌市とその周辺への人工集中傾向を反映し、都心より20km圏内と主要国道沿いにおいて著しく、後者は農地の放棄により荒れ地化し、さらには再び森林化しているものと考えられた。また、札幌市の周辺3都市を取り上げ土地利用の多様性の面から、ランドスケープの質について検討した。さらに、ボストン都市圏を中心としたマサチューセッツ州における土地利用変動との比較を行い、その相違を明らかにするとともに、マサチューセッツ大学と密接な共同研究を行っているカリフォルニア大学デ-ビス校において、西部地域の土地利用変動の課題を調査し東部との相違についても検討した。 3.中村は日本やマサチューセッツ州パイオニアバレー、オレゴン州ポートランド等における調査を基に、渓畔域のランドスケープを取り上げ、その構造と機能を分析すると共に河川管理への適用について検討した。すなわち、渓畔域の構造を河川地形と植生に区分し、その生態的機能について論じ、渓畔域を保存、造成してゆくためには、土地利用によって失われた流域における洪水制御機能のバランスを修正することが必要で、森林、農地、都市の土地利用に応じたランドスケープ要素の保全もしくは人工的な付加を行うことの重要性を指摘した。 4.浅川、愛甲らは札幌都市圏のア-バンフリンジを事例にして、ランドスケープアセスメントの重要な課題の一つである、ランドスケープの視覚的評価についてコンピユ-タによる画像処理による合成写真を用いた心理テストにより検討した。その結果、景観イメージを構成する因子として総合評価性、整然性、田園性が見いだされ、総合評価性には作物の種類や作物の有無など農地の状態、建物や送電鉄塔などの人工物の存在等が大きく関与していることを明らかにした。また、樹林の存在は直接評価を高めるばかりでなく、人工物を遮蔽することによって間接的に評価を高める場合があると推察された。 5.FabosおよびAhernは、マサチューセッツ大学においてボストン大都市圏を事例にランドスケーププランニング手法として開発された、METLANDの新しい展開方向を整理し、特に、ランドスケープエコロジー的視点を導入し、グリンウエーやエコロジカルネットワークについてのマサチューセッツ州内での事例研究を通して検討し、ランドスケープ資源の長期、短期における利用の最大化、災害防止、自然の有する開発のための機会を最大化する、広範囲の環境に対するインパクトを最小にするなどのランドスケーププランニングの目的との関連を明らかにした。また、日本への適用に関しても検討した。 6.以上の研究結果を基に、ランドスケープアセスメント手法の開発に関する検討を行い、具体的な手法の開発には、今後さらに地域的な特性と開発の種類に応じた調査研究を必要性を指摘した。
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