研究分担者 |
PERRY Robert カリフォルニア州立ポリテクニック大学, ポモナ校・環境設計学部, 教授
VERNON Noel カリフォルニア州立ポリテクニック大学, ポモナ校・環境設計学部, 教授
BESS David カリフォルニア州立ポリテクニック大学, ポモナ校・環境設計学部, 教授
CAVIN Brooks カリフォルニア州立ポリテクニック大学, ポモナ校・環境設計学部, 教授
NAKABA Kenne カリフォルニア州立ポリテクニック大学, ポモナ校・環境設計学部, 教授
WOODWARD Joa カリフォルニア州立ポリテクニック大学, ポモナ校・環境設計学部, 助教授
LYLE John T. カリフォルニア州立ポリテクニック大学, ポモナ校・環境設計学部, 教授
UESUGI Takeo カリフォルニア州立ポリテクニック大学, ポモナ校・環境設計学部, 教授
包清 博之 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助手 (60161171)
西山 徳明 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (60243979)
重松 敏則 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (70094505)
宮本 雅明 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (80128115)
美川 淳而 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (00038960)
石井 昭夫 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (40087276)
NAKADA Kenne カリフォルニア州立ポリテクニック大学ポモナ校, 環境設計学部, 教授
HAMMOND Jona 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (00243973)
HIRSCHMAN Jo カリフォルニア州立 ポリテクニック大学 ポモナ校, 環境設計学部, 助教授
MALECHA Marv カリフォルニア州立 ポリテクニック大学 ポモナ校, 環境設計学部, 教授
TAKEO Uesugi カリフォルニア州立 ポリテクニック大学 ポモナ校, 環境設計学部, 教授
宗本 順三 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (60219863)
|
研究概要 |
これからの地球環境時代に向けての環境デザインにおいては,新たな理念,方法論による対応が重要な課題となっている。このような課題の対応策の一つにサステ-ナビリティー(Sustainability)の考え方がある。このサステ-ナビリティーとは,一般にはエコロジカルな面に立脚して環境資源の保護・保全・育成を基調に環境の持続的発展を計る概念とされている。しかし,特にその都市を構成している環境資源は自然的・文化的・社会的資源など多くを数え,都市の将来のあるべき姿をデザインする場合には,これらの諸環境資源の価値評価と共に,それらの相互依存関係に基づくサステ-ナビリティーの考え方を新たな計画的意味を持つ概念として確立する必要がある。 このサステ-ナビリティーの研究において,先進的な研究実績を重ねている教育研究機関の一つに,本学との国際交流協定締結校である米国のカリフォルニア州立ポリテクニック大学ポモナ校がある。 そこで本共同研究では,サステ-ナビリティーの概念に基づく都市環境のデザインに関する基礎的知見を得るため,本学と交流締結校であるカリフォルニア州立ポリテクニック大学ポモナ校環境設計学部に所属する研究者と協力して,平成6年〜平成8年の3年間に渡って大学間共同研究を進めてきた。 平成6年度には,本学から2名の研究者を派遣し,日本国でのサステ-ナビリティに関連する研究事例を紹介すると共に,相手側協力校のRe-Generative Centerで,サステ-ナビリティを基調とした環境保全のための技術的な試みに関する研究資料を収集した。また,相手側研究協力校から3名の研究者を本学に招へいし,サステ-ナブル(持続可能)な景観形成のための条件,サステ-ナブルな都市の生態系を導くための条件,人々の生活と自然的環境や歴史的環境との共生関係を導くためのサステ-ナブル・コミュニティの形成に係わる条件等について,都市,地域,建築,自然の様々な側面から意見交換した。この結果,サステ-ナビリティの概念を論理的に導くための基礎的な考え方を両国の研究協力者間で共通認識する事ができた。 平成7年度には,研究代表者(杉本正美)をはじめ,本学から3名の研究者を相手校に派遣すると共に,相手側研究機関から3名の研究者を招聘し,調査・研究を進めた。この結果,各種環境資源の自然的・文化的・社会的諸側面からの役割の明確化とそのエリア
… もっと見る
内のサステ-ナビリティを創出するための考え方及びそれを支持する様々な要素を抽出するための調査の実施方法及び調査・計画項目などに関する知見を得た。また,住居環境の中の電気エネルギーの利用,各種廃棄物の再生・利用,太陽熱や太陽光の天然エネルギーの有効利用,微気候の有効利用,農産物の生産等を配慮したサステ-ナビリティの概念に基づく都市環境の形成のための基礎条件に関する知見を得た。 平成8年度は,サステ-ナビリティの概念に基づいて,様々な国や地域の諸特性に対応し得る都市環境を形成するためのデザインに係わる諸課題を明確化するため,本学から4名の研究者を派遣し,また相手側研究機関から3名の研究者を招聘し,環境保全,都市緑地,環境資産,都市景観の側面について調査・研究を進めた。 また,以上の3年間の大学間協力研究の結果,サステ-ナビリティの考え方に基づく都市環境デザインのためには,建築,都市,地域,自然に係わる基礎的条件として,以下の諸点に係わる知見を得ると共に,これらの知見の重要性が把握できた。 [建築関係] ・物理的にも社会的にも,寿命の長い建築物の創出 ・室内環境における様々な電気製品や電子機器から発生する電磁波の抑制 [都市関係] ・家屋周辺の外部空間,並木道の街路樹空間などによる都市空間の気候緩和 ・ヒューマンスケールでの既成市街地の再開発 ・質の高い様式住宅からのデザインコードの抽出による都市環境の形成手法の展開 ・多様性のある質の高い様々なオープンスペースおよび関連空間の創出 ・オ-センティシティ,インテグリティを備えた歴史的・伝統的空間の活用 [地域関係] ・広域的な人々の離合集散ポテンシャルに対応した各地域における環境容量の再評価 [自然関係] ・都市近郊林の環境保全機能,アメニティ機能,生態的保全機能の効果の向上 ・市街地開発における,自然系環境資源の保有する諸環境保全機能の有効活用 ・地域住民による組織的な自然系環境諸資源の保全・育成活動の支援 サステ-ナビリティの考え方に基づく都市環境の形成の究極的な目標は,「都市環境を快適な生活環境として持続的に発展させること」にある。このことから,物的または自然的な環境構成要素の相互関係の解明が最も重要な課題である。本研究を通じて把握・検討した諸環境構成要素のあり方は,このための一つの計画条件となると考えるが,更に,この目標に接近するためには,本研究の成果を踏まえ,都市で生活する人々の生活様式のあり方や省資源や省エネルギーなどを含む,更に広範な分野にまたがる調査・検討が必要であり,また具体的なガイドラインの設定が課題となる。 隠す
|