研究課題/領域番号 |
06045052
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
大澤 清二 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 教授 (50114046)
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研究分担者 |
季 成葉 北京医科大学, 児童青少年衛生研究所, 教授
笠井 直美 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 助手 (20255243)
JI Cheng-ye Beijin Medical University
季 成叶 北京医科大学, 児童青少年衛生研究所, 教授
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 少数民族 / タイ族 / 白族 / ラフ族 / 中国 / 児童生徒 / 発育 / 発達 / 雲南省 / 大理白族 / 生活・健康 / 受療行動 / 耐久消費財 / 伝統医療 / 伝統的信仰 / イ族 / 漢族 / 発育発達 / 生態学 |
研究概要 |
日本・中国の共同研究を行うにあたり日本から中国へ5回にわたって、現地における調査を行い、その結果以下のような共同研究の成果を得た。 1.中国における調査では既に実施され結果もある程度得られている領域(児童の生体学的データ)についてはこれを効果的に利用することが望ましく、経費、作業ともに節約できる。特に中国側は5年毎に大規模な発育調査を行っているが、そのデータ解析やより詳細な分析は充分には行なわれていないのが現実である。このためにこれらの大規模なデータについては原データを日中双方で徹底的に分析検討し、このことによって大きな成果を得ることができた。 2.中国少数民族の生活実態や教育の現状をはじめとした社会生態学的知見は統計的な観点からは充分に知られていない。まして児童のそうした実態は文献も乏しい。そこで、日中共同で児童の生活実態・ライフスタイルを明らかにすべく調査を実施した。調査内容は日常生活行動と保健行動、余暇、学習などの全般に及んだ。 3.この研究を推進するにあたって関連文献・資料を中国にて大量に収集した。 4.中国雲南省大理白族自治州における児童生徒の生活・健康・受療行動調査について; 白族は大理白族自治州に広く分布し、山間及びアール海の湖畔の平地を利用して水稲、小麦を栽培している。中国少数民族の中でも豊かな経済・社会・文化をもっており、社会主義制度の中でも伝統を色濃く残している。宗教は本生教を信じる者が多いが、回教徒もみられる。公衆衛生や教育も整備されており、東南アジアの山地民児童などと比較すると恵まれた教育環境にある。共同研究は、アール海湖畔の喜州村および大理市において聞き取りおよびアンケート式による調査を実施した。調査内容は、居住地、家族数、兄弟姉妹数、父と母の就業(職業)形態、出稼ぎ労働、将来希望する職業、月当たりの小使い金額とその使途、生活時間(起床、食事、登校、帰宅、就寝、読書、おけいこごと、家の中の遊び、テレビ、ラジオ、スポーツ、外遊び)、通学方法、家事労働(お手伝い)の実態、飲料水の種類、耐久消費財の保有(32種品目)、受療行動(6種類)、伝統的信仰(来生信仰、仏の実在、家の霊、動物霊、植物霊、病気と霊、守護霊、祖霊)、伝統行事への参加(新年祭や雨ごいなど12種)、伝統医療(10種)、死の恐怖、将来の希望居住地などである。なお、白族に対する比較標本として、雲南省昆明市地区の漢民族についても同様の調査を実施した。標本総数は約2000例である。 5.現在、日本・中国両国の双方で同様に集計解析を終了しているので、平成9年度には報告する予定である。この種の調査は中国でははじめてとのことであって、関係者に興味深く重要な情報を提供しうると期待している。なお、同じ調査をタイ国のメオ族、カレン族、ラオ族、タイ族にも行っているので将来はこれを比較することを考えている。 6.かねてより収集したデータを主として米国、日本の科学雑誌に発表した。この共同研究は極めて大きな成果を得ることが出来、平成9年度に行われる中国体質科学学会で大澤がこのプロジェクトについての招待講演を行う予定である。
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