研究課題/領域番号 |
06102001
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
化学系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
市原 耿民 (市原 秋民) 北海道大学, 農学部, 教授 (20000820)
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研究分担者 |
吉澤 結子 北海道文教短期大学, 助教授 (20269202)
佐藤 博二 北海道大学, 農学部・付属農場, 助教授 (20002074)
戸嶋 浩明 北海道大学, 農学部, 助手 (50237088)
及川 英秋 北海道大学, 農学部, 助手 (00185175)
吉原 照彦 北海道大学, 農学部, 助教授 (90002071)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
193,000千円 (直接経費: 193,000千円)
1996年度: 27,000千円 (直接経費: 27,000千円)
1995年度: 28,000千円 (直接経費: 28,000千円)
1994年度: 138,000千円 (直接経費: 138,000千円)
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キーワード | 植物毒素 / アルタナル酸 / アプシステロール / AAL-toxin / トウトマイシン / ディールス・アルダラーゼ / コロナチン / 塊茎誘導物質 / アポトーシス / ソラナピロン / マクロフォミン酸 / セパシアミドA / ジャスモン酸 / オッシラトキシンD / 生体内ディールス・アルダー反応 |
研究概要 |
植物病害に関わる植物病原菌と生理活性物質について次の化学的研究と新展開を行い、期待する成果をあげた。 1.バレイショ夏疫病菌の生産する植物毒素アルタナル酸の立体構造を合成化学的に確定し、さらに全合成を完成させた。同菌よりさらにアルタナル酸の関連化合物3箇を単離し、生合成研究と合わせて、新しいアルタナル酸の生合成経路を提案した。トマト芽生えに対する構造一活性相関研究により、アルタナル酸のピロン部分は胚軸の湾曲化に、側鎖は褐変化に寄与していることが明らかとなった。 2.ヒノキ漏脂病菌よりアプシステロールA-Fのほか、新たにC-21位に炭素を保持した21-oic acid型ステロールを単離した。この結果からアプシステロール類に特徴的な21-nor-Δ^<17(20)>構造の想定合成経路を提出することができた。アプシステロールA,Dに強いヒノキ葉脱離活性が、アプシステロールBに最も高いアポトーシス型神経細胞死の抑制効果がみられた。 3.テンサイ貯蔵中の腐敗病菌に対する拮抗微生物より抗菌活性を指標として9種のリン脂質と2種の非リン脂質を単離した。非リン脂質は脂肪酸とオルニチンを構成成分とし、抗菌活性が高く、セパシアミドA,Bと命名した。その他AAL毒素の主要キラル部分の合成を完了したので全合成研究につなげる。 4.抗菌抗がん活性、発がんプロモーター活性が明らかにされているトウトマイシン、オッシラトキシンDなどの天然スピロエーテル類の全合成に成功した。全合成の過程で得られた中間体についてフォスファターゼ阻害活性、細胞毒性、アポトーシス型細胞死活性をしらべ、トウトマイシンのスピロエーテル環を含むものにアポトーシス型細胞死を誘起する作用のあることを発見した。トウトマイセチンの部分構造の合成を行った 5.基質レベルで生体内ディールス・アルダー反応の存在が明らかとなったソラナビロン類の生合成において関与する酵素ディールス・アルダラーゼの精製を行い、粗酵素の分離に成功した。この酵素はオキシダーゼ活性を併せ持つ分子量48.000〜62.000の可溶性タンパク質であることを明らかにした。 6.クルミ根黒腐病菌より生産されるマクロフォミン酸の生合成研究を行い、本毒素の生成過程でピロン環と3炭素ジエノファイルの分子間ディールス・アルダー反応の関与を支持する結果を得た。 7.植物病原菌由来の数種のバレイショ塊茎誘導物質の構造研究と生理作用をしらべた。コロナチンにはジャスモン酸と同様の生理活性を示すことが明らかとなっていたが、最近その活性の高さがジャスモン酸の10^2-^4倍におよぶことを明らかにした。コロナチンの構成分、コロナファシン酸の短工程合成法を開発し、コロナチンの実用的合成法を完成した。
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