研究課題/領域番号 |
06102003
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
物理系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田中 通義 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (90004291)
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研究分担者 |
齋藤 晃 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (50292280)
津田 健治 (津田 建治 / 津田 健冶) 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (00241274)
寺内 正己 (寺内 正巳) 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (30192652)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
275,000千円 (直接経費: 275,000千円)
1997年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1996年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1995年度: 120,000千円 (直接経費: 120,000千円)
1994年度: 139,000千円 (直接経費: 139,000千円)
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キーワード | 収束電子回折 / 結晶構造解析 / 電子顕微鏡 / 準結晶 / 点群・空間群 / 逐次相転医物質 / 逐次相転移物質 / 遂次相転移物質 / 点群.空間群 / 逐次相似柊物質 |
研究概要 |
ナノメータースケールでの精密構造解析を行うための電子顕微鏡を開発した。精密構造解析に最も有害なプラズモン散乱を除去するためのオメガフィルターを新たに設計し作製した。加えて従来の電顕にあった像観察室や蛍光スクリーンをなくし、画像は全てテレビ画面で観ることができるようにし全ての電気的および機械的な操作をコンピューターで遠隔操作できるようにした。インターネットで電顕を操作し、画像もインターネットで配信できるような未来型電子顕微鏡への第一歩を踏み出した。この成果はテレビ、新聞でとりあげられ、世界の注目を集めており、今夏の国際電子顕微鏡学会で正式に発表する。 電子回折の動力学理論に基づいた精密構造解析用ソフトウェアを作成した。初期にはSrTiO_3の低温での構造を題材にして、生データの解析および処理用ソフトウェアの作成、計算の高速化などの改良を行った。1次元的ラインプロファイルの解析を完成させた後2次元パターンのフィッティングを可能にするプログラムへと進化させ、より信頼性の高い解析プログラムを完成させた。非中心対称結晶であるCdSについて解析を行った結果、Sの位置u=0.379、CdとSの温度因子Bとして、常温でB(Cd)=1.35、B(S)=1.14を得た。X線回折での値u=0.3772、B(Cd)=1.39、B(S)=1.13とよく一致しており、収束電子回折での精密構造解析が実用になることを示した。今後この方法を、現在注目を浴びている諸問題に応用してゆきたい。 基礎的応用として準結晶(デカゴナル相)の構造の解明に着手したが、従来の報告を修正するいくつかの重大な事実を発見した。すなわち、Al-Cu-Co準結晶において従来基本クラスターが10回対称であると報告されていたが、真実は5回対称であること、Al-Cu-Co準結晶は2nmの10回対称の基本クラスターをもつと報告されていたが、0.4nmの2種類の基本クラスターに分解できることを発見し、準結晶の構造の基本的見直しをせまった。これらの知見をもとに高次元結晶学に基づいた構造解析用のソフトウェアを作成し、真の構造の説明に取り組んでいる。
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