研究課題/領域番号 |
06102006
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 福岡歯科大学 (1996) 九州大学 (1994-1995) |
研究代表者 |
関口 睦夫 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00037342)
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研究分担者 |
作見 邦彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50211933)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
152,000千円 (直接経費: 152,000千円)
1996年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1995年度: 64,000千円 (直接経費: 64,000千円)
1994年度: 83,000千円 (直接経費: 83,000千円)
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キーワード | 自然突然変異 / 活性酸素 / 遺伝子破壊マウス / アルキル化剤 / 細胞死 / 発がん / DNA修復 / 酸化 / ノックアウトマウス / 突然変異 / メチルトランスフェラーゼ / ミューテーター / 8-oxodGTPase / 酸化型グアニン / ヌクレオチド代謝 / DNA合成 / ヌクレオチド / 突然変異制御 / 遺伝子クローニング / 染色体変異 |
研究概要 |
生物は自然突然変異率を一定の低い値に保つためのきわめて精緻な機構を持っている。哺乳動物細胞におけるその機構の実体を分子レベルで明らかにし、遺伝子破壊マウスなどを作製してその機構の生物学的意義を明確にするのが本研究の目的である。自然突然変異の原因の1つとして、生体内の代謝過程で生じる活性酸素によるDNAおよびその前駆体ヌクレオチドの酸化が注目されており、その過程に関与するMTH1遺伝子をとりあげた。MTH1のホモローグは細菌からヒトまで存在しており、大腸菌の欠損株(mutT^.)は高い頻度で自然突然変異を生じることが知られている。そこでMTH1のcDNAおよび遺伝子をヒトとマウスから分離し、その構造とタンパク質産物の活性を明らかにした。このタンパクはdGTPの酸化によって生じる8-oxo-dGTPを8-oxo-dGMPに分解する活性をもっており、それによって誤塩基対合によって突然変異が生じるのを防いでいる。遺伝子ターゲティングによってMTH1^+となった細胞株を樹立したが、その株の自然突然変異率は正常株より高く、さらにMTH1^+のマウスでは自然状態での飼育中に各種の臓器に癌が生じるのが観察された。それとは別にアルキル塩基の修復に関与するMGMT遺伝子についても欠損細胞及び欠損マウスをつくって解析した。MGMT^+の細胞株は正常細胞に比べて明らかにアルキル化剤に対する感受性が高く、高頻度で突然変異を生じた。MGMT^+マウスは比較的低濃度のアルキル化剤の投与によって肝と肺に腫瘍が生じることが認められた。MGMT^+にミスマッチ修復遺伝子欠損を加えることによって、アルキル化剤の致死作用に対しては抵抗性となるが、発癌はよく起こるという現象が見つかり、細胞死と突然変異・発癌の関連について重要な示唆が与えられた。
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