自然科学の発達により先進国においては高度な技術社会において人間の価値観の変化が多様化している。一方で世界的な視野からは食料不足、偏在、余りがみられ他方で食料生産のための耕地環境をめぐり、沙漠化、塩類析出、アルカリ化、酸性化等の問題が顕在化し、将来的な食料供給へ不安を与えている。このような中で予想される食料の需給バランス不安に地域的(日本)、世界的にどう対応するかが課題である。国内では少子化、農業後継者不足が農作業、生産継続への危惧を増大させる要因となっている。このような社会的背景から、たとえばイナ作生産環境現場では労力が少なくてすみ、土壌ストレスが少ない生産方法、技術の案出、改良が望まれている。このような認識と視点から、具体例として北陸地域で可能なイネ栽培方法として不耕起有機質肥料イネ栽培の作業、技術体系と実験成果を示した。また今まで不毛地とされてきた中国ゴビ砂漠における緑化(-イネ栽培による-)方法を具体的に試みた。これらに関する具体的成果については別に報告した。
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