研究課題/領域番号 |
06205105
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 昌人 京都大学, 教育学部, 教授 (90025106)
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研究分担者 |
田中 真介 京都大学, 総合人間学部, 助手 (60201620)
竹下 秀子 滋賀県立短期大学, 幼児教育学科, 講師 (90179630)
田中 杉恵 滋賀大学, 教育学部, 教授 (80217041)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 生後第1の新しい発達の原動力の発生 / 生後第2の新しい発達の原動力の発生 / 二重の対称性の生成における5つの過程 / チンパンジー / 対象操作行動の発達 / 染色体変異 / パリスター・キリアン・モザイク症候群 / 発達障害 |
研究概要 |
I.ヒト乳児22名に9種類の対提示課題を実施して縦断研究を行った。その結果、[1]1994年に発見した4か月児よりみられる生後第1の新しい発達の原動力の発生における二重の対称性の生成に関しては、回転軸2可逆走作が並列操作から系列操作へ充実を開始することを前提に、基本連関に5つの過程がまとめられた。(1)ものと手を一側先行でみる。(2)左-右の手の機能的対称性が成立する。(3)両手のものを交互に口に入れ、はなした手で上下に叩くことが一側先行で始まり、やがて左-右の機能的対称性が成立する。(4)両腕の外側においたものに対して左-右の手の機能的対称性が成立し、関連して手にふれたものを胸許へ引き寄せてみるとか、眼を見開いて正面の相手を見続けるといった新しい交流を行う自-他の対称性が成立する。(5)転倒した体位でもそれが成立する。 次に、[2]10か月児よりみられる生後第2の新しい発達の原動力の発生における二重の対称性の生成についても、示性数2可逆操作が並列操作から系列操作へ充実を開始することを前提に、基本連関に5つの過程が見出された。これは、手に持ったものを介した定位的調整を前方正中線上で行うことを基本に、正中線および反対側の手をこえた外側への交差対称性の成立を新しい特徴とした二重の対称性の生成を成立させ、正面の相手との間で動作的模倣を行うに至るという自-他の対称性を時空間の転倒した関係においても行う。 これらをもとに改めて他の発達連関、特に音声の発達的変化をみる課題がのこされている。 II.パリスター・キリアン・モザイク症候群乳児1例を1歳半まで縦断観察し、回転軸3形成期に至るまでの発達的知見をえた。 III.チンパンジー29頭の対象操作および道具使用行動を観察し、(1)定位的操作は1歳代から出現、(2)道具的使用行動は2歳代から出現すること、(3)5歳になると「対象物どうしの定位」、「複数の物の定位」、「定位した後の継起的調整行動」が出現することが明らかとなった。これについては更に、飼育下のボノボ群8頭の観察を加えてパン属の特性と種差を明らかにしつつある。
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