研究課題/領域番号 |
06205206
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
伊藤 友彦 静岡大学, 教育学部, 助教授 (40159893)
|
研究分担者 |
白畑 知彦 静岡大学, 教育学部, 助教授 (50206299)
上田 功 静岡大学, 教育学部, 助教授 (50176583)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 獲得 / 統語 / 音韻 / 第2言語 |
研究概要 |
伊藤(1994a)はまず、二語発話段階の普通児と精神遅滞児の統語的特徴をRadford(1990)の統語範疇の発現に関する仮説との関係で検討した。Ito(1994b)では、6名の普通児の縦断研究の結果から、語彙範疇V、Nの投射知識と多語発話の出現との間に密接な関係が存在することが観察された。さらに伊藤(1994c)では、格助詞「の」の出現と「が」、及び多語発話の出現時期が近いことを示す縦断研究データを提示し、この事実が機能範疇I、Dの発現によって生ずる現象として説明できることを示した。 上田(1994a,c)はまず、軟口蓋音の獲得メカニズムを素性階層論および素性不完全指定理論によって説明することを試みた。次に上田(1994b)では、歯茎音と軟口蓋音の間に交替を示す幼児を紹介し、幼児の基底表示は画一的ではないと主張している。さらに上田(1994d)では、伝統的生成音韻論(SPEモデル)の枠組みにおいて言語学的に有意義であるとされる3つの概念、基底表示、音声表示、音韻規則に訴えることによって、すべての発達途上の音韻体系が8つのタイプに類型化できることを主張した。 Shirahata(1994a)では、英語の冠詞について、英語圏で暮らす日本人の子供と大人の長期的到達度を比較した。思春期前の子供は滞在2年を過ぎるころから母語話者と同等のレベルに到達したが、大人の学習者は5年間かかってもそれと同程度のレベルにまで到達することができなかった。Shirahata(1994b)では、第2言語を獲得する過程でも、過剰規則化の誤りが生ずることが明らかになった。また、白畑(1994c)では、主要部後置言語の日本人学習者が主要部前置言語の英語の語順を獲得する際にどのような獲得過程を辿るのかを検討した。
|