研究課題/領域番号 |
06206201
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 二郎 京都大学, アフリカ地域研究センター, 教授 (30027495)
|
研究分担者 |
松田 素二 京都大学, 文学部, 教授 (50173852)
太田 至 京都大学, アフリカ地域研究センター, 助教授 (60191938)
高村 泰雄 京都大学, アフリカ地域研究センター, 教授 (30026372)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | アフリカ / 地域研究 / 方法論 / 権力 / 政治力学 / 言説力学 / ミクロなアプローチ / マクロなアプローチ |
研究概要 |
アフリカをふくんだ現代の第三世界は、南北問題や地域開発に象徴されるような矛盾をかかえている。今年度の研究は、こうした「地域」に対して、地域研究者はどのような立場をとりうるのかを検討することにより、ほかの地域の研究者とも共同で議論できるような視点を模索することを目的とした。すなわち、単にアフリカ地域研究の現状をレヴュ-するのではなく、他地域の地域研究の方法論と批判的にわたりあえるような枠組をつくる試みをおこなった。具体的には、近年、地域研究、とりわけアジア・アフリカ・ラテンアメリカ地域の研究に対してなされている一つの方法論的批判、すなわちサイ-ドが『オリエンタリズム』などを通して投げかけたような「地域研究における言説の問題」や、「ヨーロッパの認識支配の問題」にこたえようという指向のもとに研究を進めた。 第1回の研究会(1995年7月16日)では、16世紀以降の奴隷交易、19世紀の帝国主義と植民地主義、20世紀の冷戦構造を通して、アフリカの場合はヨーロッパとの関係において、一方的な被支配社会でありつはづけた歴史があること、そして地域研究が、国際政治支配の力学の中でつくりだされ成長してきたこと、さらに、この直接的な権力作用の深層には、他者をつくりだし、認識を支配しようとする言説の力学と権力作用も働いていたことを明らかにした。 第2回の研究会(1995年2月21日)では、ボツワナに住むブッシュマン社会に焦点をあてて、地域研究者がどのようなアプローチの方法をとりうるのかについての議論を具体的に深める試みをおこなった。そこでは、地域研究の対象を思いきって場面行動などにまでミクロ化し、他方では人類進化などの焦点にまでマクロ化するという方法論が有効ではないかという議論がおこなわれた。
|