研究課題/領域番号 |
06212224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
大倉 元宏 成蹊大学, 工学部, 助教授 (30119341)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 感情モデル / ニューラルネットワーク / 表情分析合成 / ヒューマンインタフェース / 恒等写像 / 汎化 / 3次元モデル / コンピュータグラフィックス |
研究概要 |
平成6年度は、感情情報のモデル化とその心理学的評価を実施し、ヒューマンインタフェースやコミュニケーションシステムへの実際の応用を考慮した場合の有効性を確認した。まず、各ユニット数が17-19-3-19-17を有する5層のフィードフォワードニューラルネットワークに対して、6基本表情の17次元の表情パラメータを学習データとして入出力層に与え、バックプロパゲーションにより恒等写像学習を行った。この際、表情強度の異なるものも学習データに加え、徐々に強度を強める方向で学習を進めた。この中間層3ユニットの出力空間によって、感情状態を定量的に記述できることになる。また、前半の3層で表情パラメータから感情情報の認識、後半の3層で感情状態から表情お合成が可能となり、この2つのマッピングは互いに逆写像を構成していることが以前に研究で明らかになっている。前半の写像の評価では、学習に用いた各基本表情が無表情を中心に均等に放射状に配置され、理想的な感情空間を構成していることが明らかとなった。また以前報告された心理学分野での3次元の基本感情配置と強い相関を示すことが判った。次に、感情状態を表現する3次元空間を学習基本感情の配置に基づいて均等分割し、その点から合成される表情画像を作製して評価用サンプルとした。これを心理学専攻の学生300名にランダムに配布し、6基本感情のいづれかと判断できるかを回答してもらい、結果を集計した。この画像作製のための原画像として男女2名分を用意した。この分析結果から、各基本表情間はニューラルネットの汎化性能により連続的に印象が変化していることが裏付けられた。また、学習に用いた基本表情よりも、感情状態が強く表出している点が存在し、外捜の効果も実現できていることが判った。この成果は、将来の感情認識が可能なインタフェースシステムへの応用が強く期待できる。
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