研究課題/領域番号 |
06213204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
但野 茂 北海道大学, 工学部, 助教授 (50175444)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1994年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | バイオメカニクス / 計算機シミュレーション / 特発生側弯症 / 腰部椎間板 / 成長解析 |
研究概要 |
特発性側弯症は、もっとも重篤な小児脊椎疾患である。この疾患では、脊柱が側方へ異常な弯曲変形をするとともに、矢状面の生理的弯曲が減少し、椎体の回旋変形が伴う。すなわち、側弯症は脊柱の病的な三次元変形である。その決定的な発症メカニズムはいまだに不明である。しかし成長と深い関係があり、発育急進期に発症・憎悪し、骨成長停止と共に進行を停止する。本研究では、特発性側弯症の発症・進行のバイオメカニカルな因子を計算機シミュレーションで探る手法を検討した。すなわち、格椎体が正常な成長を重ねるとき、ある一椎体に局部的な不均衡成長力が生じた場合、その不均衡成長力が脊柱全体の三次元形態にどのような影響を与え、そして側弯症脊柱の形態をどのように決定するかを三次元有限要素法で検討した。ここでは、特発性側弯症で最も多い胸椎カーブを対象とした。臨床的に胸椎カーブ側弯症の頂椎が第8胸椎となる場合が多いことから、不均衡成長力を第8胸椎に負荷した。解析は増分型ステップ計算によった。1ステップ計算では一椎体だけ成長力を負荷した。これを全脊柱を構成している16個の椎体について行った。 脊柱の一巡を1cycle(16step)とし、5cycleまで80stepの繰り返し計算を行った。格椎体に負荷する順番は乱数を用いてランダムに設定した。格椎体の成長力は、1cycleで脊柱全体が約1%成長させる大きさとした。その結果、頂椎に左側方から後方にかけた領域に最大成長力を負荷させた場合、右凸の側弯が生じた。この場合、生理的弯曲が減少し、椎体の回旋変形も認められた。これらは、特発性側弯症の臨床例をよく再現した。すなわち、本手法により、脊柱の成長変形を想定した解析が可能となった。
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