研究課題/領域番号 |
06213234
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
為安 司 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (30082192)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | ラット / 心臓 / 心室筋 / 筋収縮 / 細胞構造 / コネクチン / レオロジー |
研究概要 |
ラット心室から酵素によって分離した単一心筋細胞の主要構成物質の形態維持や収縮-弛緩に果たす役割を検討する目的で以下の実験を行った。 1.Brij58で膜系を除去したところ、stiffnessは例えば1.0-1.2Lo(基準長)の範囲で、約1/2に減少した。この状態でも細胞は収縮後の弛緩過程において、元の長さに自動的に戻る。 2.牛の血液からゲルゾリンを精製してアクチン線維の選択的除去を行った。ゲルゾリンを作用させると、Rigor(死後硬直)状態にある心筋細胞のstiffnessは約40分後に低い一定のレベルに達した。この状態で蛍光物質であるファロイジン・ロ-ダミンをアクチンに結合させてアクチンの分布を調べ、アクチンはかなり除去されていることを確かめた。この様なアクチン除去によりstiffnessは少し減少した。これは多分、I-帯でアクチンに結合していたコネクチンが、アクチンの除去に伴いstiffnessに関与し始めるためであろう。 3.ミオシン線維の部分的融解除去。溶液のイオン強度をゆっくりと0.25M程度に上げてミオシン線維の両端を部分的に融解すると、stiffnessはかなり減少した。これはA-帯でミオシンに結合していたコネクチンの一部がミオシン線維の部分的融解除去により露呈され、stiffnessに関与し始めることによるものであろう。 これらの実験結果から、膜系とコネクチン線維が心筋細胞の形態維持に大きな役割を果たしていることが明らかになった。また、コネクチン線維は弛緩過程において細胞を初期長に戻す作用もあるようである。
|