研究概要 |
これまでの研究により以下に示す成果が得られている。 (1)チタン金属基板上へのBaTiO_3薄膜 亜臨界域での水熱反応、およびさらに通電による電気化学反応を併用することによって、BaTiO_3,SrTiO_3などを複合酸化物薄膜を合成する手法を開発した。(溶液系からの複合酸化物膜の直接合成法としての注目を集めている。) 同位元素あるいはイオン交換法により膜形成を調べる。これにより膜の生成機構が検討できる。 (2)水熱法による金属間酸化物TiAl上への複合チタン酸/膜コーティング TiAlの耐酸化性向上のため、上記反応利用し基板上へSrTiO_3,CaTiO_3などをコーティングする手法を開発した。コーティング膜の形成と耐酸化性の向上を確認できた。 (3)超臨界水熱法によるSrTiO_3基板上のBaTiO_3へテロエピタキシャル膜の形成 450℃〜600℃のBa(OH)_2溶液中であBaTiO_3がスムーズなエピタキシャル膜として作成できることを確認した。 (4)超臨界水熱溶液による炭化物上への炭素コーティング膜の形成 SiC,TiCなどの炭化物粒子、繊維などを300℃、10 MPa以上の熱水中で処理し、その表面に炭素を膜状に残すという全く独自の方法によりカーボン膜を形成された。 (5)水熱合成法による水酸アパタイトウィスカ-の作製 生体毒性や発ガン性などの危険性のないアスベスト代替品として貴重なウィスカ-を合成させた。 水溶液を用いるセラミック材料の作製プロセスは高温反応や真空プロセス、気相プロセスと比べてはるかに耐環境負荷が小さいので、この方法により高機能材料が作製できることを実証しつつある本研究の意義は大変大きいといえよう。
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