研究概要 |
超臨界流体を含む系の相平衡を溶液を構成する成分の化学式に基づいて推算する状態式・グループ寄与法の開発を目指している. 本年度は先ずPeng-Robinson状態式中のエネルギーパラメータaとサイズパラメータbを圧力零における過剰自由エネルギーと統計力学的に厳密な第二ビリアル係数の組成依存性に関する条件とで求めるg^E_o型混合則を導出し,圧力零における還元容積を純物質の還元容積のモル分率加算で求める算出法を提案した.相平衡への適用はg^E_oをWilson式で表すことにより,常圧用パラメータを用いて高圧気液平衡の推算を行った. g^E_oをASOGとUNIFACで求める状態式・グループ寄与法を用いて,アルコール,ケトン,炭化水素などを含む系の高圧気液平衡の常圧パラメータによる推算を検討した.また,二酸化炭素,メタンなどを含む系にも適用できるように,二酸化炭素とメタンを含む系の相平衡データベースを構築し,1957年から現在までに報告されている1500データセットの気液平衡,気液液平衡,個気平衡の測定値を入力した.さらに状態式・グループ寄与法の推算に必要なグループ間相互作用パラメータをグループCO_2,CH_4とCH_2,OH,CO,COO,O_2,N_2からなるグループ対について決定し,超臨界成分を含む系の気液平衡と溶解度の推算を行った.
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