研究概要 |
1.Ti-24Al-11Nb(at%)合金熱間圧延板に種々の熱処理(1473K×7.2ksWQ,AC,FC;β単相および針状組織,1313K×7.2ksWQ,AC;等軸組織)を施し、各々について引張試験および破壊靱性試験を行った。その結果、最も高い破壊靱性値(J_<1C>)を示したミクロ組織は、1313K×7.2ksWQで得られる等軸組織であった。これは、き裂先端の鈍化等、主に内生的要因に起因するものと考えられる。また、最も高いき裂進展抵抗(T_<mat>)を示したミクロ組織は、1473K×7.2ksFCで得られる粗大針状組織であった。これは、き裂の偏向およびマイクロラック発生によるせん断リガメントの形成等、主に外生的要因に起因するものと考えられる。強度、延性および靱性のバランスに優れるミクロ組織は、1313K×7.2ksWQで得られる等軸組織であった。これは、初析α_2粒が適度に分散しているためと考えられる。 2.Ti-47.2Al(at%);(γ-TiAl/α_2-Ti_3Al)2相組成合金の約8kgの鋳塊の種々の位置より、寸法10×10×55(mm)の角材を採取し、静的3点曲げ破壊靱性試験、硬さ試験およびミクロ組織観察を行った。その結果、本合金鋳造材では、鋳塊全域について見ると、鋳塊中心部に向かうにつれて破壊靱性値が減少する傾向を示す。これは、中心部ほどポアが多くなり、また、凝固偏析によるへき開破壊の割合が増加したためと考えられる。凝固偏析やポアの少ない所では、ラメラ粒径が大きくなる部分で破壊靱性値が増加する。これは、マイクロクラックや2次き裂が発生しやすいためと考えられる。
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