研究課題/領域番号 |
06216203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野村 一成 北海道大学, 理学部, 教授 (80128579)
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研究分担者 |
三本木 孝 北海道大学, 理学部, 教授 (60000791)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / トンネル分光 / 電子状態密度 |
研究概要 |
前年度に引き続き、銅酸化物高温超伝導体においてトンネル顕微鏡を用いた分光測定を行い、超伝導相の電子状態密度から超伝導電子対の対称性を調べた。特に、超伝導ギャップの異方性を明確にするために、単結晶試料で方向を変えたSTM分光測定を精度よく測定することを試みた。 測定装置としては、ノイズを低減するために前置増幅器を改良するとともに、信号のリ-ド線等を工夫した。さらに、正常な試料表面を得るために、試料を劈開する際の雰囲気等を改良した。この結果、従来の測定に比べてノイズを低減した測定に成功した。 Bi_2Sr_2CaCu_2O_8の単結晶試料の劈開面における測定では、従来の測定と同様に試料とSTM探針間の距離に依存するトンネル微分コンダクタンスを得た。しかし、コンダクタンスの関数形は低電場領域においては、ほとんど探針の距離に依存しないことも同時に明らかになった。さらに、同じ低電場領域では単結晶試料側面でのトンネル微分コンダクタンスとほとんど一致することも確かめられた。これらのことから、STM分光測定において得られたトンネル微分コンダクタンスは、電子のトンネル過程において、実質的に波数空間のすべての電子の寄与により与えられることが明らかになった。この結果、超伝導ギャップは大きな異方性を持つが、フェルミ面全体にわたって有限であることが確認された。したがって、超伝導電子対は単純なd-波の対称性では説明できず、等方的なS-波の寄与も相当大きいことが結論された。
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