研究課題/領域番号 |
06216207
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
能登 宏七 岩手大学, 工学部, 教授 (40005898)
|
研究分担者 |
藤代 博之 岩手大学, 工学部, 助教授 (90199315)
松川 倫明 岩手大学, 工学部, 助教授 (40221585)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 高温超伝導体 / 渦糸状態 / 熱伝導率 |
研究概要 |
我々は、高配向Bi-2223高温超伝導体に対する磁場中での熱伝導率の研究を行った。なお、磁束の輸送エントロピーの評価に必要な熱磁気効果の測定は現在準備を進めている。 1)零磁場での熱伝導率はT_cまで温度の下降とともにわずかに減少するが、T_c以下で増大する。超伝導状態での熱伝導率の異常は、Y系やBi(2212)においても報告されている。T_c以下での熱伝導率の異常は印加磁場の増加とともに減少するが、常伝導状態における熱伝導率は印加磁場によらず一定である。熱伝導率の減少は、フォノンが常伝導芯に存在している準粒子によって散乱されるためであると考えられる。 2)高配向Bi-2223高温超伝導体の熱伝導率の磁場依存性は単調に減少する。しかし、磁場の増加による熱伝導率の減少の割合は、高磁場では弱くなってくる。これは、フォノンが磁束内部の準粒子によって散乱されることと熱流を担う準粒子数が磁場の増加とともに増大することによって生じたものと考えられる。 3)緩和時間近似を用いて、フォノンの準粒子による散乱を取り入れた解析を行った。また、磁場中の電気抵抗の測定結果から、W.H.H理論を用いてH_<c2>を算出すると〜44.3Tとなり、超伝導エネルギー・ギャップの磁場依存性を取り入れた解析も行った。この補正によって、熱伝導率の磁場依存性の実験結果を高磁場領域まで再現できることがわかった。
|