研究課題/領域番号 |
06216214
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉崎 亮造 筑波大学, 物理工学系, 教授 (70011137)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 異常ピーク効果 / Zn置換効果 / Bi-2212相 / Bi-2201相 / 単結晶 / 負の磁気抵抗効果 / 磁気相関ピーク |
研究概要 |
銅酸化物高温超伝導体の中でも特に異方性の大きなBi系銅酸化物超伝導体について、CuO_2層の数が異なるBi-2201相及びBi-2212相の磁気的性質の研究を行った。 Bi-2212相単結晶については多くの実験が為されてきた。私達はCuをZn置換した単結晶を作り、その効果を調べた。Zn置換効果は、CuO_2面内の電気抵抗をやや増加させるとともに、面間の電気抵抗を急激に減少させた。超伝導転移温度直上の抵抗率で見た異方性も急激に減少した。超伝導揺動領域の抵抗異方性の角度変化の解析から異方性パラメータは200から30〜50程度に減少することを確かめた。 Bi-2212相単結晶に見られる異常ピーク効果について、逓減ピークや逓倍ピークが現れることを発見した。特に、Zn置換試料について異常ピークの位置が未置換の試料のピーク位置と殆ど変わらないことである。前述のように、Zn置換は面間伝導を増大させる。それにも拘わらず、ピーク位置が変わらなかった。即ち、超伝導の異方性のみを低下させた場合に異常ピークはその位置を殆ど変えなかったことになる。異常ピークの原因に関し手がかりを与えるものとして注目に値する。 Bi-2201相の磁気的性質について、不可逆曲線、磁気進入長、常伝導磁気相関ピークの移動などをキャリヤ-濃度依存性として測定した。これらの結果は、Bi-2201相はTcが30K以下と低いが、この系が高温超伝導体特有の性質を持っていることを示すものとして興味深い。 Bi-2201相の磁気抵抗効果について、面内横磁気抵抗効果(H//c、J//ab)は弱い正で、他の超伝導体とほぼ共通である。面間磁気抵抗(J//c)は磁場の方向に依存する。H//c、すなわちローレンツ力フリーの縦磁気効果の条件下では、負の磁気抵抗が超伝導転移温度よりは高い42K以下のみで観測された。一方、H//ab、すなわちローレンツ力の働く横磁気抵抗の条件下では正に変わることを発見した。
|