研究課題/領域番号 |
06216219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
為ケ井 強 東京大学, 工学部, 助教授 (30183073)
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研究分担者 |
芝内 孝禎 東京大学, 工学部, 助手 (00251356)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 高温超伝導体 / ホール素子 / 磁束 |
研究概要 |
本年度は、ホール素子を用いた局所磁場測定装置に3つ目の自由度を追加し、低温磁場下での3次元磁場分布を可能とした。また、超伝導磁石の電源をコンピュータ制御可能なものとし、ホール素子の移動、ホール電圧の測定を含め全ての測定を自動化した。 この装置を用いて、一昨年から引き続きBi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>等の異方性の大きな高温超伝導体で見られるピーク効果を研究対象とした。特に、異方性の制御の一方法として、ヨウ素をインターカレーションした試料(I-Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>)を作製し、ピーク効果を調べた。この系でもBi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>と同様のピーク効果が見られるが、ピーク磁場は低温での温度依存しない部分と高温での温度依存する部分に分かれる。温度依存しない部分は、ヨウ素インターカレーションや酸素量の変化による異方性の変化を反映した特徴的な変化を示すのに対し、温度依存する部分はヨウ素インターカレイションの均一性と密接な関係があることが明らかになった。すなわち、不均一な試料ほどピーク磁場が温度依存する温度域が低温側に広がる。実際、X線では良質に見える試料でも局所磁場測定によると、試料中にマクロなスケールでの不均一性があることがわかる。I-Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>での温度依存するピーク効果はYBa_2Cu_3O_7やLa_<2-x>Sr_xCuO_4で見られるピーク効果を思い起こさせる。これらの場合も、その起因として酸素欠損などの不均一性が考えられており、今後I-Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>との詳細な比較が必要であると思われる。 一方、異方性とピーク磁場との関係をよりはっきりとさせるため、静水圧下でのピーク効果の測定を行い、圧力を加えることによりピーク磁場が高磁場に移動することが明らかになった。輸送現象の測定から静水圧を加えることにより、異方性が小さくなることが知られており、この異方性の変化を反映してピーク磁場が大きくなったと考えられる。
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