研究課題/領域番号 |
06216228
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 信一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10127219)
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研究分担者 |
高橋 昌男 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00188054)
金丸 文一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40029848)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ソフト化学プロセス / 高圧合成 / 無限層 / Ruddlesden-Popper系列 / 金属酸化物 / 金属硫化物 / 金属窒化物 |
研究概要 |
1.優れた超伝導特性が確認されている無限層超伝導体およびその層間に岩塩型層が挟まれたLa_2Ca_<n-1>Cu_nO_<2n+2>を、各金属の酢酸塩水溶液に酒石酸を添加して乾燥させた原料を高温で焼成するソフト化学的な手法で合成することを試みた。この結果、無限層構造をもつ化合物(Ca_<1-x>Sr_x)CuO_2は0.10<x<0.16の組成域で単相として得られた。さらにそのCa^<2+>の一部分はY^<3+>で置換され、室温における比抵抗値は10^<-3>Ωcmと6桁減少した。しかしNa^+には置換できず、NaCuO_2型構造をもつCa_<0.85>CuO_2が得られた。La_2Ca_<n-1>Cu_nO_<2n+2>の合成については、上記の手法では、固相反応に比べてかなり均質に反応が進行しn=2に相当するLa_2Cu_2O_6が得られた。n=3,4の混合層化合物によるのではないかと思われる長周期のX線回折がごく弱く観られることがあった。しかしこれらn>3の化合物を単離する事はできなかった。 2.超伝導体BaPbO_3に対して平面配位をとりやすいCu^<2+>を導入して新しい化合物を得る試みにおいて、Ruddlesden-Popper系列に属するBa_4Pb_3O_<10>を単相化し、その単結晶を得ることができた。その化学組成はBa_<4-x>Pb_<3-x>Cu_xO_<10->δ(x=0.4)であり、大気中において容易にそのBaO岩塩層にH_2Oをインタカレーションした。 3.LaNiO_3をH_2/N_2気流などの還元雰囲気中で処理することによって、酸素6配位のNi^<3+>と平面4配位のNi^+からなる欠陥プロブスカイト構造をもつLa_2Ni_2O_5を得ることができた。またLnNiO_3(Ln=Pr,Nd)の場合にはNi^+O層2層ごとにNi^<3+>O_6層が現れるLn_3Ni_3O_7が得られた。 4.高圧合成法を用いることによって、ミスフィット積層構造をもつLaMS_3(M=Ti,V,Cr)が3GPa以上の高圧、1000℃付近の温度条件下で、NH_4CdCl_3をもつ新化合物に相転移する事がわかった。また最近超伝導体の存在が報告されているLn-Ni-B-N系においても高圧相の存在することを見いだした。
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