研究課題/領域番号 |
06216229
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
萩行 正憲 大阪大学, 超伝導エレクトロニクス研究所, 助教授 (10144429)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 電磁応答 / ミリ波 / 複素電気伝導度 / 磁場侵入長 / 面間応答 / SNS接合 |
研究概要 |
酸化物高温超伝導体の高周波の電磁応答は、超伝導機構を探る上で、また、超伝導体を利用したフィルターや共振器といった受動素子の特性を左右する意味でも重要な物性測定である。本研究では、MgO基板上のc軸配向YBCO及びBSCCO超伝導薄膜のミリ波領域(75〜170GHz)の複素電気伝導度の温度変化の測定を行った。その結果、複素電気伝導度の実部σ_1は温度の低下とともに超伝導転移温度以下で増加し、40K付近でピークとなることがわかった。また、虚部σ_2は温度の低下とともに単調に増大するが、結晶性の悪い試料ではその大きさは低温でも飽和しないことがわかった。これまで報告されているマイクロ波領域での測定結果と本研究で得られた結果を比較した結果、酸化物超伝導体における電磁応答はd波的超伝導電子対と準粒子のスピン揺動による非弾性散乱を考慮した理論と矛盾しないことがわかった。さらに、a軸配向したYBCO薄膜についてc軸方向の電磁応答を測定した結果、電磁場の侵入長はab面内に比べてc軸方向が10倍程長く、かつ、その温度依存性が異なることがわかった。YBCOではCuO_2面間の結合はBSCCOやLSCOと異なり、SISではなくSNS的な振舞を示すことが明らかとなった。
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