研究概要 |
本研究の目的はEELSなどを用いて,構造,組成,電子状態のよく規定された遷移金属および半導体の単結晶表面における表面修飾と不活性小分子の活性化との相関を解明することである。遷移金属としてはPd(110),半導体としてはSi(100),修飾表面としては清浄表面をアルカリ金属(Cs,K)などで修飾して得られる吸着粒子誘起超構造を主な対象とした。前者については,炭化水素(ベンゼン,アセチレン),後者については酸素分子との相互作用に関する研究を終了した。アルカリ金属で修飾すると,Pd表面においては炭化水素の熱分解反応や,場合によっては,合成反応が促進されることがわかった。Si表面の場合は,常温酸化が大幅に促進されることがわかった。これらの原因について考察を加えた。Si表面の場合,酸素分子で得られた結果から考えると,窒化はアルカリ金属修飾によって,促進されないようである。
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