研究課題/領域番号 |
06217218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
田中 晃二 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (00029274)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 二酸化炭素多電子還元反応 / ホルミル金属錯体 / アシル金属錯体 / アセトン生成 / アセチル酢酸生成 / 炭素一炭素結合生成 |
研究概要 |
プロトンあるいは沃化メチル存在下でのポリピリジルRuカルボニルを触媒とする二酸化炭素の多電子還元反応を行い、以下の成果を得た。 1。プロトン性の溶媒中での〔Ru(bpy)(trpy)(CO)〕^<2+>を触媒とするCO_2還元反応では〔Ru-η^1-CO_2〕および〔RuC(O)OH〕^+との平衡反応で生成する〔RuCO〕^<2+>が、低温ではさらに還元を受けて、〔RuC(O)OH〕^+,〔RuCH_2OH〕^+を経由してHC(O)H、CH_3OHならびに、CO_2との反応により触媒的にHOOCC(O)HとHOOCCH_2OHが生成することが判明した。しかしながら、〔RuC(O)H〕^+の強いヒドリド供与体として機能するために、溶液中のCO_2とも反応してHCOOHと〔RuCO〕^<2+>が再生することが明らかとなり、錯体触媒によるCO_2の多電子還元反応にとって大きな阻害となることが明らかとなった。 2。無水CH_3CN中では、〔Ru-η^1-CO_2〕からCO_2へのオキサイド移動反応によりCO_3^<2->と〔RuCO〕^<2+>が生成し、後者の2電子還元で生成する〔RuCO〕^Oは極めてスムースに2分子のCH_3Iと反応して〔RuC(O)CH_3〕^+を経由してCH_3C(O)CH_3と〔Ru(solvent)〕^<2+>を与える。さたに、遊離したCH_3C(O)CH_3は〔Ru-η^1-CO_2〕との反応によりHCOOHとCH_3C(O)COO^-が触媒的に生成することが明らかとなった。特に、CH_3C(O)COO^-生成は2分子のCO_2と1分子のCH_3Iから3つの炭素一炭素結合生成を伴って生成し、反応中間体〔RuC(O)CH_3〕^+は〔RuC(O)H〕^+に比べて熱的に安定であり、室温での反応が可能であり、全く新しい型の二酸化炭素還元反応であり、CO_2をC1原料とする化学的利用への応用が期待される。
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