研究課題/領域番号 |
06218216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
徂徠 道夫 大阪大学, 理学部, 教授 (50028172)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 分子磁性体 / 有機ラジカル / 熱容量 / 相転移 / スピン波 / 四重項トリラジカル |
研究概要 |
(1)Mn^<2+>(スピンS=5/2)とCu^<2+>(S=1/2)が1次元的に交互に配置した1次元混合金属錯体MnCu(obbz)・H_2Oは14K以下で自発磁化を示すことがO.Kahnらにより報告されているが、熱容量測定では14Kに相転移を示さず18K付近に極大を有するなだらかな熱異常のみを見出した。磁化率測定を併用し詳細に検討した結果、微粒子であるための超常磁性の特徴を有する粒度効果で説明できることを明らかにした。 (2)四重頂有機トリラジカルを三座配位子とするMn(II)の遷移金属錯体(tri-rad)_2[Mn(hfac)_2]_3は34K以下で自発磁化を示すことが岩村らにより報告されている。熱容量を8-300K領域で測定したところ35K近傍にながらかな熱異常を観測した。しかしこの錯体の分子量は2344.44という大きな値であるため、スピンに基づく熱異常は相対的に非常に小さくなっている。磁気熱異常の正確な評価には、信頼性の高い正常熱容量の決定が不可欠であり、目下その決定法を検討している。 (3)有機ラジカルAATMPの熱容量を0.2-50K領域で測定し0.9K近傍に小さな熱異常を見出した。このラジカル結晶は従来の同族化合物と異なり、2量体の形成が指摘されている。極端に小さな熱異常との関係を解析中である。 (4)異種金属錯体{NBu_4[FeCr(ox)_3]}_nの熱容量を1-300K領域で測定し、12.0Kに磁気相転移を見出した。熱容量に反映する短距離秩序効果およびスピン波の解析より、2次元的相互作用が支配的な磁性体で、磁気秩序相では3次元磁性体となっていることを明らかにした。
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