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高温熱反応にみられる磁場効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06218221
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関広島大学

研究代表者

斉藤 昊  広島大学, 理学部, 教授 (00033853)

研究分担者 高橋 修  広島大学, 理学部, 助手 (60253051)
田林 清彦  広島大学, 理学部, 助教授 (70132727)
研究期間 (年度) 1993 – 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード磁場効果 / 衝撃波 / 熱分解反応 / 単分子分解 / 二硫化炭素 / 項間交差
研究概要

本研究では、従来行われていた拡散火炎中での各種化学種に現れる磁場効果の研究を衝撃波管と磁場との組み合わせによる高温均一反応の磁場制御という新しい発想と手法で発展させ、単に励起化学種の発光、消光などの失活過程のみならずバルクの熱反応との関連において磁場効果の発現の可能性、機構を明らかにすることを主題にした。
新たに建設した衝撃波-磁場装置は内径36mmφのステンレス管部とパイレックス管製の観測部から成るもので、観測部には関連化学種の吸収・化学発光測定用の1対の光学窓を備えており、この領域に磁場が負荷されるようになっている。
本年度は、スピン禁制反応の単分子分解過程が進行するとされている、一連の三原子分子の代表としてCS_2分子をとり挙げ、この高温熱分解反応の磁場効果を検討した。衝撃波条件は2200-3300K、駆動磁場は0-2KGで行った。CS_2親分子の振動励起状態と熱的平衡にあると考えられる電子励起一重項(475nm)からの化学発光経時変化を追跡した結果、
(a)励起一重項状態からの化学発光に明らかな磁場効果が現れ、その強度は温度に関係なく2KGの磁場で半減する。
(b)CS_2の高温熱分解反応を、CS_2の単分子解離過程とその後に続くラジカル連鎖過程の機構に区別して考えると、スピン禁制反応である単分子解離過程の速度に顕著な磁場の効果が働くことが解った。
(c)これに対しラジカル連鎖過程の速度には磁場の効果はほとんど観測できなかった。
以上の結果から、CS_2の単分子解離過程において、磁場は一重項と三重項遷移の禁制を解くことになり、熱反応の速度を促進させる方向に磁場が働くことが解った。高温熱反応における磁場の効果は、単に項間交差といった分子状態間の失活過程の側面に働くだけでなく、バルクサイズの熱的素反応過程に対しても充分有効な影響を及ぼすものであることが本研究の重要な結論として挙げられる。
これらの研究の成果の一部は「衝撃波シンポジウム」(横浜国大/95.3.16-18)において発表した。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2018-06-07  

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