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中性子スピンエコー法による極冷中性子干渉実験

研究課題

研究課題/領域番号 06220203
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関九州大学

研究代表者

阿知波 紀郎  九州大学, 理学部, 教授 (60027456)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード中性子スピンエコー / 中性子スピン干渉計 / 中性子光学 / 中性子屈折率 / 中性子前方散乱 / 中性子磁気鏡 / ラーモア歳差 / スピン関数
研究概要

中性子スピンエコー法を用いた中性子スピン干渉実験を新たに提案し、実験した。磁場中でラーモア歳差運動を行う中性子のスピン関数は、干渉性波動関ψ↑とψ↓の重ね合わせと考えられる。スピンエコー装置の片方の歳差磁場中に多層膜磁気鏡を挿入し、ラーモア回動中性子スピン関数ψ↑をブラッグ反射しψ↓と空間的に分離する。この時前方散乱波にも多重散乱によりψ↑がnπ+行路差の位相で多相膜を透過する。ψ↓は位相変化なくそれぞれの位相のψ↑と干渉するが、ラーモア回転をもとのようには再現しない。ラーモア回転の様子は、スピンエコーシグナルにより観測できる。この原理を実験的に確かめた。すなわち、Fe-Ce多層膜磁気鏡をスピンエコーの片方の歳差磁場中に挿入し、オフブラッグ条件では、スピンエコーシグナルは影響なく観測され、次にブラッグ条件にもっていくとスピンエコーシグナルはほとんど消滅した。これは、スピンエコー装置のスピン干渉計としての最初の実験である。この方法は、波動関数の干渉を強度の干渉パターンをみるかわりに中性子スピンのラーモア回転の変化により観測するもので、新しい原理である。
この様な実験は、中性子干渉実験において要求されるビームの干渉性分割をラーモア回転のスピン分離で行い、分割ビーム再結合を前方散乱により行うため、波長分散に関係なく強度利得の大きい実験となる。今後、2枚磁気多相膜鏡による、ブラッグ反射ψ↑中性子を2回磁気反射により前方散乱ψ↓波と再結合する実験を行う予定である。
また、ラーモア回転中性子スピンを磁気ブラッグ反射で分離した場合、磁気反射された中性子波動関数ψ↑が、ラーモア回転の位相をどのような形で記憶しているのか大変興味ある問題である。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Hino: "Characteristics of CN3 Neutron Guide Tube at KUR," Annu.Rep.Ses.Reactor Institute,Kyoto Univ.27. 194-204 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] M.Hino: "Neutron Optics and Neutron Foward Scattering Using Transverse Neutron Spin Echo Instrument" International Conference on Neutron Scattering 1994(Yamada Conference No.41),Sendai. (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] T.Kawai,: "Instrument for Polarizing Cold Neutrons with a Wavelength of 9A" Annu.Rep.Res.Reactor Institute,Kyoto Univ.27. 235-244 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2018-06-07  

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