研究課題/領域番号 |
06221102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堤 誉志雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (10180027)
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研究分担者 |
柴田 良弘 筑波大学, 数学系, 助教授 (50114088)
俣野 博 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40126165)
望月 清 東京都立大学, 理学部, 教授 (80026773)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 非線形シュレデインガー方程式 / 散乱理論 / ゲージ不変性 / 非可積分系 / 熱弾性プレート方程式 / 熱弾性波 / 線形化問題 / 解のエネルギー減衰 |
研究概要 |
非線形偏微分方程式において、解の特異性が非線形性によってどのような相互作用をするのかということを調べるのは、極めて重要な問題の一つである。空間1次元の特殊な3次の非線形性を持つ非線形シュレデインガー方程式は完全可積分系となり、その解の性質はよく調べられている。特に、完全可積分系の非線形シュレデインガー方程式に対しては、時刻無限大でも非線形効果が消えず、解は摂動を受けていない自由解には近付かないことが知られている。空間1次元の場合、3次の非線形性は線形散乱理論で云うところの長距離ポテンシャルに相当しており、この事実自体は自然なことである。しかし最近、非線形波動方程式について、従来長距離ポテンシャルに相当すると考えられていた場合でも、ある特別な非線形項に対しては解の特異性が相殺し、時刻無限大で解は自由解に近付くことが分かってきた。非線形シュレデインガー方程式に対しても、特別な非線形項の場合は波動方程式の時と同様、解の特異性が相殺し時刻無限大で非線形効果が消えることが期待される。そこで、今年度は、どのような3次の非線形項に対して、解の特異性が相殺し時刻無限大で解が自由解に近付くかを調べた。その結果、そのような非線形項はシュレデインガー方程式のゲージ不変性と密接な関係があることが分かった。 また、熱弾性プレートを伝わる波を記述する方程式の線形化問題について、熱散逸効果による解のエネルギーの時間減衰の速さを調べた。熱弾性波は近年様々な分野で注目を集めており、熱弾性波の非線形問題の数学的解析が切望されている。線形化問題の解析は、それ自身興味深い問題であるばかりでなく、非線形熱弾性波の問題を研究する際に有用である。
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