研究課題/領域番号 |
06221207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
日合 文雄 茨城大学, 理学部, 教授 (30092571)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | エントロピー / 量子格子系 / 作用素 / Golden-Thompson不等式 / マジョリゼーション / 因子環 |
研究概要 |
1.行列と作用素のノルム不等式およびトレース不等式を研究し、相対エントロピーとGolden-Thompson型の不等式との関連、状態の摂動とTrotter型の極限公式などを追求した。具体的には次のような成果を得た。 ・対数マジョリゼーションと作用素平均の手法を用いて、Golden-Thompson型の不等式を補完する作用素ノルム不等式を示した。 ・行列に対するGolden-Thompson型とその補完型のノルム不等式における等号条件を求めた。 ・状態の摂動に関する荒木やDonaldの結果を応用して、Trotter型の指数積に対するトレース・ノルム収束を示した。 2.量子格子系モデルにおいて、平衡状態やMarkov型の状態に対して、平均エントロピー、相対エントロピー、力学的エントロピーなどのエントロピー論を研究した。特に、Markov状態を含み代数的な仕方で定義できる状態について、種々のエントロピー密度の間の関係を確立した。平衡状態に対するShannon-McMillan-Breiman型の収束定理も示した。 3.指数有限の因子環-部分因子環の対から、Jonesのベーシック・コンストラクションによって有限次元環の増大列が構成でき、それらにBratteli図形と呼ばれるグラフが対応する。また有限次元環の列から生成されるvon Neumann環上にキャノニカル・シフトと呼ばれる変換が定義できる。グラフの増大度、キャノニカル・シフトの力学的エントロピー、部分因子環の強amenabilityの間の関係を調べた。
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