研究課題/領域番号 |
06221215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 實 東京大学, 物性研究所, 教授 (40029731)
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研究分担者 |
河原林 透 東京大学, 物性研究所, 助手 (90251488)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 熱力学ベ-テ仮説方程式 / 反強磁性ハイゼンベルグ鎖 / ボナ-・フィッシャー曲線 / 強磁性ハイゼンベルグ鎖 / 長距離相互作用 / スケーリング関数 |
研究概要 |
統計力学や物性理論における可解な一次元模型は大変に種類が豊富になって来ている。代表的なものとしてXYZ模型、Habbard模型、Haldane-Shastry模型等がある。このような系の基底状態エネルギー、励起エネルギー、自由エネルギーを計算することは普通に行なわれているが、その他の物理的性質を計算するには数学的技術や洞察が必要になってくる。相関関数の計算はまだうまくいっているとは言えないが、近年の量子群の理論の発展によって、可能になってきている。また一次元可解量子模型は二次元可解量子模型と密接に結びついている。また可解であることが分かっていても個々の物理量が必ずしもすぐに計算できるわけではない。また共形場理論では必ずしも可解でなくても、ギャツプのない場合は適用可能である。ハルデン磁性体が磁化した場合はこれにあたる。この理論に従えば有限系の計算を実行することによって物理量の相関関数の指数を計算することができる。 本年度は一次元反強磁性ハイゼンベルグ模型の帯磁率を数値計算により詳細に調べて、低温ではその温度変化率が無限大になる現象を発見した。これはBonner-Fisher曲線についての従来の見方を変えるものである。またこの現象は場の理論的説明もできる。これはS.Eggert氏及びI.Affleck氏との共著である。このような現象はハバ-ド模型やt-J模型のようなSU(2)対称性を持つ他の系でも存在すると考えられる。次年度以降の重要な課題である。 強磁性ハイゼンベルグ模型の低温での帯磁率は1/T^2(T=温度)で発散することが知られていたが、高次の非線形帯磁率についても調べた。その結果低温では m【similar or equal】f(H/T^2) という形のスケーリング則に従うことが示された。ここでmは磁化、Hは磁場である。
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