研究概要 |
Adler,Morozov,van Moerbekeとの共同研究で、string equationの一つの一般化である方程式[Q,P]=Q(ただしQ,Pは常微分作用素)の行列積分による解を構成し、対応するGrassmannの点のstabilizerを特定した(投稿中)。この構成はKontsevich modelがAiry関数の一般化であるのに対しHankel関数の一般化とみなせるものである。この論文の中ではまたγ-関数の行列式表示に関するKontsevichの補題(Kontsevich,CMP147(1992),1-23,Lemma 4.2)の厳密な証明を与えた。 またAdler,van Moerbekeとの共同研究で、行列積分に関連して定義されるある積分作用素のFredholm行列式に対するTracey-Widomの恒等式に対し、vertex operatorを用いた簡明な別証明を与えた(執筆中)。これはAdler,van Moerbekeとの共同研究(CMP掲載予定)で得られた結果の応用である。同じ方法で常微分作用素と可換な積分作用素に関するGrunbaumの仕事もvertex operatorを使って解釈できる可能性があり、現在Adler,van Moerbekeと共同で研究を進めている。 またウクライナとドイツでの研究集会に参加し、Krichever,Morozov,Veselov等とsoliton方程式、行列積分などについて議論した。
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