研究課題/領域番号 |
06221240
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々木 隆 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授 (20154007)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 解ける場の理論 / 戸田場の理論 / ヤング・バクスター方程式 / 厳密なS-行列 / 反射方程式 / ブートストラップ方程式 / 反射ブートストラップ方程式 / 半直線上の可解場 |
研究概要 |
場の量子論は物質の究極の構成要素である素粒子の振舞いを記述する理論であるが、その全容は無限大自由度を扱う数学的複雑さのために未だ解明されていない。そこで場の量子論の本質的部分を保持しかつ解ける性質を有した模型を作りその種々の性質を具体的に研究することにより場の理論そのものを深く理解することが目的である。具体的な研究対象は各半単純リー代数に基づいた1+1次元の戸田場の理論でこれらは無限個の種類があり非常に性質が良い。1993年度までの研究によってsimply-laced及びnon simply-lacedなLie代数に基づく理論に対して、厳密なS-行列が解析性、ユニタリ性、交差対称性、質量スペクトルとブートストラップ原理に従って与えられその性質が良く理解された。 今年度の研究対象は半直線上の解ける場の理論の構成とその端点の相互作用の理解であった。反射方程式(Yang-Baxter方程式の半直線の場合への拡張)とブートストラップ原理とを融合させた反射ブートストラップ方程式を種々の戸田場の理論につき具体的に解いて端点での相互作用の代数的取り扱いを論じた([1])。場の理論としての端点の相互作用の形を具体的に求めるために無限個の保存量が半直線上においても保たれることを要求して、一連の半直線上の解ける戸田場の理論の定式化を与えた。得られた端点の相互作用に対応するような反射ブートストラップ方程式の新しい解を種々の戸田場理論につき具体的に与えた([2])。これらの無限個の保存量の存在は必要条件でありその多くのものは場の理論として不安定性を持つことが具体的な古典解の構成で示された([3])。現在は場の理論的取り扱いと上記の代数的取り扱いを統一する理論の構築を目指している。
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