研究概要 |
リーマン・ゼータ関数の「6乗平均値問題」は素数分布論において、きわめて重要な問題であるが、その解決のために、SL(3,Z)についてのKuznetsov跡公式を確立することが、必要であることが認識された。しかし、一方においてより高次の課題である「8乗平均値問題」については、意外な発見が研究の中でなされた。それは、8乗平均値に対しては、おそらくSL(2,Z)の理論で充分であろうという認識である。すなわち、8乗平均値は、1変数(複素)保型形式に属する諸々の「量」によって、完全に表現可能である。 このことから発展して、SL(2,Z)におけるHecke部分群とSL(3,Z)との関連が示唆された。 本研究の主要部は、平成6年10月京都大学数理解析研究所共同研究集会「解析的整数論」(代表:本研究代表者)において発表・討論された。
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