研究課題/領域番号 |
06222205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 裕子 (永原 裕子) 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (80172550)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 珪酸塩メルト / 蒸発 / 拡散 / 真空 / かんらん石 / コンドリュール / 同位体分別 |
研究概要 |
非平衝条件下で珪酸塩メルトおよび固体鉱物からの蒸発による元素および同位体の分別は、メルトの構造、鉱物の構造や結晶内部の元素の拡散が反応を支配すると考えられ、温度・圧力・雰囲気(fO2,fH2など)をコントロールした実験が必要である。さらに、太陽系星雲は水素ガスからなっており、蒸発速度は平衝、非平衝条件下とはまた異なったものとなることが推定され、実験的に反応速度を求める必要がある。そのため、東京大学理学部5号館に既存の真空装置を改良して、タングステンメシュ炉を導入した。 それを用いて、様々な水素圧力条件下でのかんらん石の蒸発速度を求めた。その結果をHashimoto(1990)による蒸発エンタルピーを用いて低温に外挿し、珪酸塩メルト蒸発時における同位体元素分別の可能性について検討した。コンドリュールメルトの蒸発による界面後退距離を求め、拡散距離と比較してラフにコンドリュール加熱時における蒸発残渣の同位体分別の可能性を考えた。 ほとんどの圧力、温度領域で元素の拡散距離はコンドリュールメルトの蒸発距離より大きいことが判明した。コンドリュールの融解時間はかなり瞬間的に近いと考えられているので、この温度ではコンドリュールメルトは融解時に十分内部は均質化され、蒸発に際し同位体分別が可能であるということである。天然のコンドリュールおける同位体分別を2次イオン質量分析計を用いて測定したところ、Mgについてのみわずかな分別がある可能性が示唆された。しかし本研究はメルトからの蒸発過程でコンドリュール形成時の同位体分別の可能性は低く、もし分別があるなら、コンドリュール形成以前に存在していたものが融解をうけずに残っていることを表している。
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