• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

地殻下部における酸性マグマの生成と移動に関する研究.

研究課題

研究課題/領域番号 06222222
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関熊本大学

研究代表者

小畑 正明  熊本大学, 理学部, 教授 (20126486)

研究分担者 横瀬 久芳  熊本大学, 理学部, 助手 (50230644)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードマグマ / 部分融解 / 部分溶融 / ミグマタイト / メルト
研究概要

次の2つのサブテーマで研究実績をあげた.(1)マグマタイト中のザクロ石の異帯構造の分析研究,(2)酸性地殻包有物の部分溶融組織の研究.(1):肥後変成帯のザクロ石-黒雲母片麻岩,ミグマタイト中のザクロ石の組成異帯構造をX線マイクロプローブを用いて詳細な二次元組成マップを作成した.異帯構造はおおむね同心円状であり,中心から結晶周縁に向かってCaO,MnOが減少し、FeO,MgOが増加するパターンを示す.また等組成線は結晶の成長方向を示す微細な流体包有物の配列方向と直角な関係にあることから,等組成線は結晶成長の等時間面{110}に一致していることが結論できた.このことにより,肥後変成帯のD帯のザクロ石の異常構造は結晶成長時にできた初生的なものであり,より高温部のザクロ石は後の拡散によって部分的に均質化を受けたものであることが分かった.この均質化の程度と,変成作用の温度条件,結晶粒子サイズの関係とザクロ石の元素拡散の実験的データを組み合わすことにより,肥後変成岩の高温継続時間を見積もることが可能であり,それはほぼ400万年と推定された.これは本変成帯における部分溶融の時間スケールを考察するに重要な制約条件となる.(2):唐津高島のカンラン石玄武岩中に取り込まれた花崗閃緑岩中にみられる部分溶融組織の微細構造をEPMAを用いて分析した.特に部分溶融メルトから生じたガラスとメルトから晶出した輝石微結晶の詳細な分析を行った.その結果,部分溶融は次の2段階のステップで起こった.すなわち,まず黒雲母の分解により放出された流体が石英,斜長石結晶粒間に浸透し,両相と不可逆的に反応して酸性メルトが生じる.ついでホルンブレンドが分解溶融を起こしより塩基性のTiを含んだ第2のメルトが発生し,これが第1のメルトに接する.2種類のガラスの境界がシャープなことから,メルトの発生から冷却固化までのタイムスケールはメルトの均質化のタイムスケールより短くなければいけないことがわかる.

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yoshimura,Y.: "Sector structure and compositional zoning of garnets from the Higo metamorphic rocks,west-central Kyushu,Japan." 岩鉱. 90(印刷中). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Morishita,R.: "A new statistical description of the spatial distribution of mineralsin rocks." Journal of Geology. 103(印刷中). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Obata,M.: "Ultramafic pseudotachylite fromthe Balmuccia peridotite,Ivrea-VerbanoZone,northern Italy." Tectonophysies. 242. 313-328 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Obata,M.: "Crustal anatexis and melt segregation in the Higo metamorphic terrane,westcentral Kyushu,Kumamoto,Japan." Lithos. 32. 135-147 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

URL: 

公開日: 1994-04-01   更新日: 2018-06-07  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi